古谷さんのように、なるべく痛みが少ない治療を希望される方が増えています。
インビザライン治療専門院を運営している当院にも矯正の痛みに関する不安を抱いている人から多くの相談が寄せられていますよ。
個人的には、矯正中の痛みや矯正中の快適さ、矯正の効果を総合的に見ても『インビザライン』は特に優秀な矯正方法として間違いないと太鼓判を押しています。
マウスピース矯正の中でも『インビザライン』がおすすめなんですか?
そうですね、インビザラインは世界的にも技術的に優れたマウスピース矯正と言われており、私も自信を持っておすすめしているのでインビザライン専門院として特化した歯科医院を運営してきました。
インビザラインの痛みが少ないのは、どんな理由があるんだろう
『インビザライン矯正』は歯を一気に動かすのではなく、少しずつ段階的に動かすことができるので痛みが分散されます。
『ワイヤー矯正』は全ての歯をワイヤーで繋ぐため全ての歯に一気に強制力がかかります。それを強い痛みに感じる人が多いようですね。
本記事では、インビザラインが痛いのか、インビザライン矯正で痛いと感じる場合の6つの原因と6つの対処法をインビザライン専門院で治療している熟練の歯科矯正医が詳しく解説していきます。
Contents
インビザライン矯正治療はどのくらいの痛いのか
インビザライン矯正ってどのくらい痛いのか、治療を決める前に知りたいです。
確かに、『インビザライン』に決める前にどれくらいの痛みがあるのか事前に知りたいですよね。
それではまず、インビザラインがどれだけ痛いのかをイメージできるように解説していきますね。
合わせて、ワイヤー矯正とインビザラインを比較してどれだけ痛みが違うのかも見ていきましょう。
インビザライン矯正はどの程度痛いのか
インビザラインで痛みが少ない理由を詳しく聞きたいです。
また、どのくらい痛いのかイメージしたいと思ってますが、、、
簡潔に説明していきますね。
インビザライン矯正は、痛さを感じることはありますが、矯正を中断したり鎮痛剤を必要とすることはほとんどありません。
インビザラインの痛みが少ない理由としては、一気に歯を動かそうとする方法ではなく何十枚ものアライナーを交換して徐々に歯を動かす方法で、一度に大きな矯正力がかからないためです。
実際に患者様がインビザラインで痛いと感じる際の感想は以下のようなものです。
- 窮屈な感じ
- 圧迫感がちょっとある
- 歯が覆われていて違和感
- マウスピースが内頬や舌に少し当たる
このようにインビザラインでは多少の痛みは伴いますが、どうしようもできない痛みに繋がることはほぼありません。
食事の際はマウスピースを外せるので、食事での噛み合わせでかなり強い痛みが生じることもほとんどないのです。
ワイヤー矯正とインビザラインの痛み比較
ワイヤー矯正とマウスピース矯正(インビザライン)の痛みはどれくらい違うのでしょうか?
やっぱり治療期間が長いので矯正中の痛みは気になりますよね。
ワイヤー矯正とインビザラインの痛みを比較していきます。
ワイヤー矯正は装着や調整から数日は強い痛みを伴う可能性がありますが、インビザラインでは矯正期間中痛みが分散されているので強い痛みを感じる可能性は少ないです。
どんどん新しいアライナーへ交換していっても、ワイヤー矯正ほどの強い痛みを感じる可能性は少ないです。
矯正方法 | 患者様の痛みの感想 |
マウスピース矯正(インビザライン) |
|
ワイヤー矯正 |
|
インビザラインでは歯が動く痛みを強く感じるというよりは、『マウスピースによる歯への圧迫感や違和感』を痛みとして感じる人が多いです。
ワイヤー矯正では、段階的に歯を動かすのではなく一気に動かすため、ワイヤーを装着して数日感はかなり強い痛みを伴う人も多いです。
また、歯が動く痛みだけでなく、食事で噛み合わせをした際に痛みが生じるケースも多いです。
さらにワイヤー矯正は口内を傷つけるリスクがあるため、『ワイヤーによる口内炎』に悩まされる人も多数います。
結論から言うと、『ワイヤー矯正』よりも『インビザライン』の方が痛みが少ない矯正方法となります。
しかし、インビザラインでも痛みは多少なりとも生じてしまいますが『痛み』にも重要な意味があるのです。
インビザラインの痛みは基本的には歯が動いている証拠
インビザライン矯正の仕組み
インビザラインは、最終的なゴールに設定している歯並びにマウスピース(アライナーとも言う)を使って少しずつ矯正していく方法です。
治療の計画に沿って作られた『それぞれ微妙に形の違うマウスピース』を7~10日ごとに順番に装着していきます。
歯の動きを正確にシュミレーションして作成されるマウスピースがインビザラインなので、痛みが少なく済むのが大きな特徴の一つです。
歯が動く時には多少痛みがある
歯が動く時に痛いと感じるのは自然なことです。
しかし矯正方法で感じる痛みが異なるのは、一気に動かそうとしているか、段階的に動かそうとしているかで分かれます。
強い力が加わっているワイヤー矯正の方が治療期間は短く済みそうですね。
実はそうでもないのが、歯科矯正の難しいところでもあります。
実はワイヤー矯正よりもマウスピース矯正(インビザライン)の方が治療期間が短い場合も珍しくありません。
痛みの強さは様々ですが、痛みが強い=効果が高いというわけではないので注意しましょう
インビザラインで痛いと感じる6つの原因
ワイヤー矯正よりも痛みが少ないとされるインビザラインですが、それでも痛みを感じるケースもあります。
この章では『インビザラインで痛いと感じる場合の6つの原因』を解説していきますので、ぜひ参考にしてみてくださいね。
- 矯正によって歯が圧迫されている
- 新しいマウスピース(アライナー)にまだ慣れていない
- 着脱時アタッチメントに引っかかっている
- マウスピースやアタッチメントが口内を傷つけている
- 歯が後戻りしてしまった
- 抜歯した部分に痛みがある
こんなに原因があるの?インビザラインはあまり痛くないって言ってたのに….!
インビザラインで痛みが発生するのには明確な原因があります。
逆に原因を把握しておけば、対策も打ちやすくなりますので、頭の片隅に置いておいてもらえると嬉しいです。
痛い原因①:矯正によって歯が圧迫されている
一つ目に考えられる原因は、『矯正によって歯が圧迫されていること』です。
マウスピース矯正は段階的に歯に負荷をかけて動かしていく方法ですが、それでもマウスピースを装着することによって歯は圧迫されます。
矯正治療で実際に歯が動くのには、『骨の代謝』が大きく影響しています。
まず矯正装置を装着すると歯の根っこの周りにある歯根膜という繊維からできた薄い膜が引っ張られ、引っ張られた側には骨芽細胞と呼ばれる骨を作る細胞ができて、新しい骨が作られます。
反対に縮んだ側にはマクロファージという細胞が作られ、血管の中に眠っている『破骨細胞』を引き起こすのです。
この破骨細胞が骨を吸収する骨の代謝の性質により歯が動くのです。
骨に埋まっている歯に力を加えて動かすわけですから、無痛というのはおかしく、少なからず圧迫されるような痛みが生じるのは仕方がないことです。
対処法としては、『1つ前のマウスピースに戻す』ことを歯科医に相談することです。
痛い原因②:新しいマウスピースにまだ慣れていない
二つ目に考えられる原因は、『新しいマウスピース(アライナー)にまだ慣れていないこと』です。
インビザラインは約10日ごとに新しいアライナーへと自分で交換していく特徴があり、これによって通院の手間が省けます。
毎日20時間以上マウスピースを装着することを想定して治療計画が立てられているので、患者側はこれを責任持って遂行する必要があります。
- インビザラインのアライナー1枚
0.15mm~0.2mm - ワイヤー矯正の1回の調整
約0.3mm
『インビザライン』はワイヤー矯正よりも一回にかかる負担は少ないですが、『次のアライナーへ交換すること』はそれまでとは違う強制力がかかるということです。
そのマウスピースの型に慣れていないうちは、痛みが生じてしまっても仕方がありません。
わずかに異なるマウスピースの交換を続けていくことで最終的に歯列や噛み合わせが整うのですから、慣れるまでには少し痛みがでることは想定内です。
対処法としては、『1つ前のマウスピースに戻す』ことを歯科医に相談することです。
痛い原因③:着脱時アタッチメントに引っかかっている
三つ目に考えられる原因は、『着脱時アタッチメントに引っかかっていること』です。
『インビザライン矯正』では、マウスピースを装着するだけでなく歯に白いアタッチメントをつける必要があります。
このアタッチメントがマウスピースの着脱時に引っかかってしまい痛みを生じる可能性があるということです。
実際にこのアタッチメントにはマウスピースが歯に加える力を調節する役割があり、一度つけたら強制終了までつけていなければなりません。
厚さ1mm程度の白いレジン素材でできたアタッチメントの形には、丸状・三角状・四角状があり、この順番にサイズ・強さが大きくなっていきます。
より強い強制力をかけたい部分には四角状のアタッチメントが必要になるということですね。
対処法としては、『着脱用のスプーンを使う』なので、歯科医に相談して検討してみましょう。
痛い原因④:マウスピースやアタッチメントが口内を傷つけている
四つ目に考えられる原因は、『マウスピースやアタッチメントが口内を傷つけていること』です。
アライナーはインビザライン社で製作され検品されてから日本に送られ患者さんの元に届くわけですが、中には研磨不足で口の中を傷つけてしまうマウスピースもあります。
口内は弱い皮膚ですのでわずかな出っ張りでも当たれば、傷や痛みが発生する可能性が高いのです。
また、アタッチメントがついている場合には、そのアタッチメントによる傷を疑う必要もあります。
マウスピース装着時はアタッチメントは気にならなくても、食事などでマウスピースを外した時に口内を傷つけている可能性があります。
対処法としては、『マウスピースの尖っている部分を削る』なので、歯科医に相談して検討してみましょう。
痛い原因⑤:歯が後戻りしてしまった
五つ目に考えられる原因は、『歯が後戻りしてしまったこと』です。
インビザライン矯正ではマウスピースを20時間以上装着することを前提として治療が計画されているのですが、しばらくマウスピースを装着しない期間があると歯が後戻りしてしまうのです。
歯が後戻りしてしまってから再び同じマウスピースを装着すると、その際に痛みを感じることがあります。
矯正中の歯はグラグラしている状態ですので、そこでマウスピースによる矯正がなくなると元の位置に簡単に戻ってしまうのです。
また、インビザラインでの矯正が終わったあとに必要な保定装置(リテーナー)を装着しなかった場合にも、歯が後戻りする可能性があります。
「矯正の治療自体は終わったからいいや」なんて甘く考えて保定装置の装着をサボっていると、保定装置自体が装着できなくなり無理にはめようとすると痛みを伴うことがあります。
対処法としては、『再矯正の検討』なので、歯科医に相談して検討してみましょう。
痛い原因⑥:抜歯した部分に痛みがある
六つ目に考えられる原因は、『抜歯した部分に痛みがあること』です。
マウスピース矯正(インビザライン)では、抜歯を含む矯正ができないと思われがちですが、実は症状が重度の場合には抜歯を行って矯正することもできます。
インビザラインでは痛みが少ないため、抜歯をした歯の痛みの方が「痛い」と感じてしまう場合があります。
その場合には、『鎮痛剤をもらう』等の対処をしていきましょう。
インビザラインで痛いと感じる時の6つの対処法
この章では、『インビザラインで痛みを感じる時にやるべき対処法』を6つご紹介していきます。
- 一つ前のマウスピースに戻す
- 着脱用のスプーンを使う
- マウスピースの尖っている部分を削る
- なるべく長時間外さない
- 鎮痛剤を処方してもらう
- 治療計画の変更
対処法①:一つ前のマウスピースに戻す
対策の一つ目は、『一つ前のマウスピースに戻して痛みの様子をみる』です。
新しいアライナーに交換して強い痛みが消えない場合は、一つ前のマウスピースに戻して痛みの様子を見てみましょう。
実際新しいアライナーに交換して痛みや違和感がかなり強い場合には、ひとつ前のアライナーを数日装着してからまた次のアライナーに交換するとあまり痛みがなかったというケースがあります。
装着時間が短い日があった場合には、まだ新しいアライナーに対応できるよう歯が動いていなかった可能性があります。
対処法②:着脱用のスプーンを使う
対策の二つ目は、『着脱用のスプーンを使うこと』です。
前の章で、インビザライン矯正では歯にアタッチメントを装着する必要があることをすでにお伝えしましたが、着脱時にこのアタッチメントが邪魔をして『うまくはまらない』『うまく外せない』ことがあります。
無理にマウスピースをはめたり外したりして痛みがでるようであれば、このようなスプーンを使用することをおすすめします。
実際に、マウスピースを無理やり力ずくで着脱すると『アタッチメントが外れてしまう事例』が多くあります。
アタッチメントが外れるとアタッチメントが矯正で果たしている重要な役割がなくなり、矯正の効果が弱まってしまう可能性もあるので取り扱いには注意したいところです。
対処法③:マウスピースの尖っている部分を削る
対策の三つ目は、『マウスピースの尖っている部分を削る』です。
インビザラインのマウスピースは、米国アライン・テクノロジー社にて製作・検品されてから患者さんの元に届きます。
マウスピースの中にはわずかな研磨不足があり、実際はめた際に口内でぶつかってしまったり気になってしまったりする場合もあります。
それを放置すると毎回同じ場所がすれて痛みや口内炎に繋がるリスクがあるため、紙やすりでマウスピースの突出している部分や気になる部分を磨くことをおすすめします。
対処法④:なるべく長時間外さない
対策の四つ目は、『なるべく長時間外さない』です。
おかしいな・・・ちゃんとハマってるかな?この間まで入ってたのに
こんな疑問を持つ方は結構いらっしゃいますが、ハマりにくい感じが出た時は、要注意の信号です。
こうなったら、なるべく長時間マウスピースを装着して、歯が矯正プラン通りに動いてくれるのを待ちましょう。
しっくりハマっている感じがあるようなら、あとは元のペースで約10日ごとに新しいアライナーに交換するのも忘れずに行うといいですね。
確認ですが、『インビザライン矯正』ではマウスピースを外して良いとされているのは以下の時です。
- 一日3度の食事
- 歯磨き
- マウスピースのお手入れ
取り外しができることは利点ですが、しっかり管理しないと矯正効果が出ない上に、痛い思いをすることになってしまうので要注意です!
対処法⑤:鎮痛剤を処方してもらう
対策の五つ目は、『鎮痛剤を処方してもらう』です。
やはりおかしいなと感じた場合や痛みにどうしても耐えられないという場合は、医師に相談して鎮痛剤をもらうのが安心です。
あまりに強い痛みは自分自身で対策するのも難しいと思うので、気軽に先生に相談できるような関係を築いておくこともストレスのない矯正生活を送るためのポイントです。
対処法⑥:治療計画の変更/再矯正の検討
対策の六つ目は、『治療計画の変更/再矯正の検討』です。
こちらは最終手段ですが、どうしても痛い場合には無理に歯を動かそうとしてしまっている可能性があるので、治療計画の変更も必要になってきます。
通常、インビザライン矯正に知識のある歯科矯正医は治療計画ミスはないのですが、経験の浅い歯科医師やインビザライン専門に行っていない医師だとたまに起こってしまうようです。
まとめ
ここまで『インビザラインで痛いと感じる6つの原因と対処法』を全てご覧いただき、ありがとうございました。
ワイヤー矯正よりも痛みの度合いが少ない上に、対処方法まであることをお分りいただけましたでしょうか。
それでは、この記事をまとめます!
- ワイヤー矯正より強い痛みを感じにくい
- インビザラインは新しいアライナーに交換する時に痛みがでる可能性がある
- インビザラインでは歯が圧迫されている感じが出やすい
- アタッチメントは痛みの原因にもなるが、スムーズな矯正を支えている大きな役割がある
- 患者も痛みが出ないように矯正のルールを守るべき
しっかりと対策しておけば、痛みが出てしまった場合でも焦らずに対応できるのではないでしょうか。
しかし、まずは装着時間を守ったり歯やマウスピースのお手入れに気をつかったりすることが予防に繋がりますので頑張ってみてくださいね。
歯の矯正って痛いと聞きます。
少し調べるとワイヤー矯正、マウスピース矯正(インビザライン)と矯正方法はいろいろあるみたいで迷っています。