
柏 英希
インビザライン矯正のメリットとデメリットについて理解できます。
また、インビザライン矯正の治療の流れや、インビザライン矯正を検討する際の注意点についてもご紹介しています。
数あるマウスピース矯正の中でも世界的なシェアが多く、かつ信頼度の高いインビザライン。ですが、どのような歯科矯正法にもデメリットは存在します。
「目立たない」、「痛くない」といった画期的なメリットにばかり気を取られがちですが、治療を検討するのであれば、きちんとデメリットも把握しておくことをお勧めします。
本記事では、インビザライン矯正の専門医が、そのメリットとデメリットをご紹介していきます。
インビザライン矯正治療の流れ

インビザライン矯正とは透明なマウスピースで歯列全体または部分的に歯を矯正する治療方法です。
はじめに、インビザラインのメリット・デメリットを知る前に「インビザライン矯正の流れ」を確認しておきましょう。
来院 | 実施すること |
1回目 | 矯正治療の初回ご相談です。現状の歯並び確認の他に、むし歯・歯周病の確認をします。iTeroを用いて3Dスキャンまたは口腔内写真撮影を行い、部分矯正が可能か、全体矯正が必要かなど、現在の状況や治療期間・費用について歯科医師よりご説明します。 |
2回目 | 精密検査を行います。レントゲン撮影、お顔・お口の中の写真撮影、iTeroスキャンなど、歯科矯正治療に必要な詳しい検査を行います。お時間は約30分です。 |
3回目 | ご契約完了から約90日後から、いよいよインビザライン治療がスタートです。月1回の来院、その後徐々に2~3ヶ月に1回の来院でも治療可能になります。この治療を1~3年の動的治療期間継続していきます。 |
4回目 | ご契約完了から約90日後から、いよいよインビザライン治療がスタートです。月1回の来院、その後徐々に2~3ヶ月に1回の来院でも治療可能になります。この治療を1~3年の動的治療期間継続していきます。 |
動的治療終了後 | 歯の後戻りを防止するために保定装置(リテーナー)の装着を行ってケアしていきます。当院では2年間のメンテナンス期間を設けています。 |
インビザライン矯正に関する4つのデメリット
前述したとおりの流れでインビザライン矯正の治療は進みますが、実は知っておくべき4つのデメリットが存在します。
1. 歯科医師の知識・技術に左右される
まず、インビザライン(マウスピース矯正)には歯科医師の知識・技術に左右されるというデメリットがあります。インビザラインだけでなく、すべての治療に言えることですが詳しく説明していきます。
『インビザライン』は、歯科矯正治療の経験が豊富な歯科医しかライセンス付与されないルールとなっていますが、日本の現状はインビザライン社が主催する講習会に参加すると、インビザラインドクターのライセンスが付与され、インビザライン治療を開始することができてしまいます。
つまりインビザラインドクターの中にも、治療経験が豊富な歯科医師とそうでない歯科医師が混在している状況です。
歯並びや噛み合わせを治療する際にマウスピース矯正での治療を希望したからといって、すべてのインビザラインドクターが良い結果を出すことができないということです。インビザライン矯正を行って失敗するケースが出てしまうのはこのためです。
同じインビザライン矯正であっても、治療計画や治療方針は歯科医師によって大きく異なるため、同じような矯正治療の効果を得られるわけではないのです。
私はインビザラインを優れた矯正装置だと考えていますが、歯科医師の技術で矯正治療の効果が左右されてしまうのです。
インビザライン矯正をするのであれば、症例が多く経験豊富な歯科医師を選ばないと後で後悔することになりかねません。
2. マウスピースの着用を徹底する必要がある
続いてのデメリットは、インビザラインは、矯正装置であるマウスピースを1日20時間以上徹底して装着する必要があることです。
「マウスピースって自分で取り外せるから辛くなったら外せばいいよね」という訳にはいきません。1日20時間以上を守るためには、1日3回の食事や歯磨きの時しか外せないことになります。
インビザライン矯正は、1日20時間以上装着し、約7日ごとに次のマウスピースへと替えていくことを繰り返していきます。
装着時間や付け替えの時期を守ることを前提に治療計画を立てているため、これを守れない場合は予定通りに治療が終わらなかったり治療期間が長くなったりしてしまうのです。
3. 歯並びや骨格によっては使用できない
インビザラインは歯並びや骨格によっては使用できないケースも多く、すべての患者さまに適用できる矯正方法ではないのもデメリットです。
- 出っ歯(上下顎の前後的な大きなズレ・下あごが小さい)
- 受け口(上下顎の前後的な大きなズレ・下あごが大きい)
- 抜歯を伴い前歯が内側に倒れこむリスクや噛み合わせが深くなるリスクがある場合
- 埋伏歯(歯が埋まっている状態)があり、マウスピースで覆い被せることができない場合




一般的な出っ歯や受け口は歯を動かすことで対応できますが、上下顎が大きくずれている場合には骨格自体を矯正する必要がありインビザラインやワイヤー矯正単独では対応できません。
また、抜歯を伴い前歯が内側に倒れこむリスクがある場合も同様にインビザラインには不向きです。
抜歯をすると歯の移動量が大きくなり、一本あたりの歯の移動量が大きくなり、インビザライン治療では治療期間が長くなったり、適応外になったりする場合があります。
さらに、前歯が内側に倒れ込んでしまった場合にはインビザラインだけでカバーすることは難しいのが現状です。ワイヤー矯正が必要になるリスクがあるのです。
そして、インビザライン矯正は歯にマウスピースが覆い被さることで効果をもたらしますが、短くてマウスピースが覆い被さることができない歯がある場合には効果が見込めません。
先にインビザラインが歯科医師の技術によって左右されるということを解説しましたが、本来であればインビザラインでは高い矯正効果が得られないような歯並び・骨格であっても技術や経験のない歯科医師だとそれに気がつけず矯正をすすめてしまう場合があります。
抜歯や他の矯正方法を併用することでインビザラインを用いた矯正が可能になる場合もありますが、それにはやはり歯科医師の経験と技術が必要なことはもうお分かりですよね。
4. 重度歯周病やインプラントの場合は使用できない


インビザラインは重度歯周病やインプラントの場合は使用できないのもデメリットです。
重篤な歯周病の場合は矯正治療を行っている途中で歯が抜けてしまう恐れがあるため、インビザライン矯正ができません。
歯科矯正治療の前に歯周病の治療をしてから矯正しなくてはならないので、インビザラインだけの治療よりも費用と期間が必要になります。
また、インプラントは人工歯根であり、天然の歯根と違って後から移動させる事ができないためこちらもインビザライン矯正ができません。
もしインプラント治療と歯列矯正を同時に希望する場合は、先に歯列矯正をして正しい歯並びになった状態でインプラントの治療をしましょう。
インプラント治療をしたい歯が歯列矯正に関係ない場合であれば同時に治療することも可能ですが、担当の歯科医師次第になりますので、まずご相談することをお勧めします。
では、次はインビザライン矯正のメリットを説明いたします。
インビザライン矯正に関する8つのメリット
ここまではインビザライン矯正(マウスピース矯正)のデメリットをお伝えしてきましたが、この章ではインビザライン矯正のメリットをご紹介します。
以下がインビザライン矯正のメリットです。
- 世界でも技術的に優れている
- ワイヤー矯正のように目立たない
- 事前に3Dシミュレーションで治療計画を確認できる
- 行動に制限がほとんどない
- 治療中のトラブルが少ない
- 異物感・痛みがほとんどない
- 体に害の少ないプラスチック製
- 計画的・段階的に歯を動かせる
※ 本記事は、動画の内容から加筆修正しております。
この章を読めば、なぜインビザライン矯正がワイヤー矯正や他のマウスピース矯正よりもおすすめなのかが分かります。
1. 世界でも技術的に優れている
ひとつ目のメリットは、インビザライン矯正は世界でも技術的に優れているという点があげられます。
「インビザライン・システム」は米国アライン・テクノロジー社が1999年に米国の矯正歯科医師を対象に提供を始めたマウスピース型カスタムメイド矯正歯科装置で、世界一の治療実績を誇るマウスピース矯正です。
インビザラインは以下6つの技術が特に優れている上に、常に研究開発への投資を続けているためこれまで優れた実績を納めてくることができたのです。
- 治療計画と製造のデジタル化
- 生体力学
- 素材
- 3Dデザイン&モデリング
- データ分析の機械学習と口腔内スキャン
インビザラインに用いられるマウスピースはFDA(アメリカ食品医薬品局)の医療機器として認証を受けているマウスピース装置で、ISOを取得しているアメリカの最新工場で製造されています。
2024年時点では世界120カ国以上の国々で治療が取り入れられ、これまでに1400万人を超える人がインビザライン矯正の治療を受けています。
インビザライン・アライナ―(マウスピース)の革新的なテクノロジーや機能、素材(スマートトラック)は、これまで煩わしいと感じやすかったマウスピースの装着感をより自然なものにしました。
また、事前に治療完了までに歯がどのように動いていくかを確認できるのも大きな魅力で、予測実現性にも優れた歯列矯正治療を実現しているのです。
これらの様々な技術が優れているというメリットが、世界一の治療実績を生み出していることがわかります。
2. ワイヤー矯正のように目立たない
次に、インビザライン矯正にはワイヤー矯正のように目立たないというメリットがあります。
ワイヤー矯正(表側)は明らかに目立ち、ワイヤー矯正(裏側)でも口を開けた際に気づかれてしまうことがあります。しかし、インビザライン矯正は透明なマウスピースなため周囲から気が付かれることはほぼありません。
どうしても気が付かれたくない場合にはその時だけ外しておくこともできるため、周囲の人から矯正を指摘される可能性は極めて低いのです。
これは周りからの視線を気にするすべての方にとって大きなメリットですよね。
特に幼少時代はワイヤー矯正をしていると同年代の子にからかわれてしまうケースもあるので、お子さまの矯正治療装置にも使用することができます。
3. 事前に3Dシミュレーションで治療計画を確認できる
インビザライン矯正では、クリンチェックと呼ばれる治療計画作成支援ソフトで治療計画の3Dシミュレーションを確認することができるメリットもあります。
治療を開始してから完了するまでの歯の動きを3D画像でチェックして納得してから、マウスピース製作に進むことが可能です。
その際に以下すべてが予測できるので、納得できない場合は矯正治療を開始しないという選択も可能です。
- 矯正に必要な費用
- 矯正完了までの期間
- 矯正完了までのマウスピースの枚数
- 矯正開始から矯正完了までの歯の動き
※ あくまで歯の動きやすさには個人差があるため、開始時にお伝えした内容と異なる場合もあります
インビザライン矯正の場合は矯正のゴールを患者様と共有した状態で矯正治療を開始するので、精神的に楽という声を多くいただきます。
4. 行動にほとんど制限がない
インビザライン矯正には、ワイヤー矯正のように行動制限がほとんどないことも大きなメリットです。
ワイヤー矯正で避けた方がよい行動は以下の通りです。
- 接触スポーツ
- 粘着性の強い食べ物(ガム・キャラメル・お菓子など)
- 装置に色がつきそうな食べ物(カレー・ミートソースなど)
- 装置にはさまりそうな食べ物(細めの麺類・繊維質な野菜など)
- かたい食べ物や引きちぎる食べ物(せんべい・ステーキなど)
しかしインビザライン矯正の場合、食事の際にはマウスピースを外すことができるので、上記のような行動は制限されません。
さらに、金属製のワイヤー矯正とは異なりインビザライン矯正のマウスピースはプラスチック製のため、装着したままでのサッカーや野球などの接触スポーツをプレーしても矯正装置による怪我が少ないことも魅力の一つです。
このようにインビザライン矯正であれば、行動にほとんど制限がないのです。
5. 治療中のトラブルが少ない
インビザラインでの矯正治療は、トラブルが少ないこともメリットとして挙げられます。
まず、ワイヤー矯正で起こりうるトラブルを以下にまとめたので、ご覧ください。
- 矯正装置が外れる
本来医師しか外せない装置が何らかのトラブルで外れてしまうと、医師が再びつけなくてはいけなくなります。 - ワイヤーが歯茎や頬の内側に当たる
粘膜が傷ついて腫れたり痛みが出たりする恐れがあります。 - 痛みが強い
1カ月に1度ワイヤーを調節して矯正力をコントロールするため、一度に歯にかかる負担が大きく、強い痛みが出ます。 - 治療中に虫歯や歯周病になる
ワイヤーを着けたまま食事や歯磨きをするため、食べかすや歯石が溜まりやすくなります。

柏先生
ワイヤー矯正は予期せぬトラブルが起こりやすいことがご理解いただけましたか?
ワイヤー矯正と比較して、インビザラインはトラブルがほとんどありません。
唯一予期せず起こってしまうトラブルとして挙げられるのが、「マウスピースの研磨不足」で出っ張りが歯茎や頬の内側に当たることです。

しかし、紙やすりで削ってあげれば特に大きな問題はないので心配いりません。
インビザラインは、しっかり装着時間や口内ケアなどルールを守り過ごせば、治療中にトラブルが起こる可能性が極めて低い矯正方法なのです。
6. 異物感・痛みがほとんどない
インビザラインはマウスピースの異物感や治療による痛みがほとんどなく、精神的なストレスが少ないのもメリットのひとつです。
比較項目 | インビザライン | ワイヤー矯正 |
違和感 | 〇装着し始めは少し息苦しさを感じる 〇最初のうちは発音しにくい感じが出る | 〇ブラケットやワイヤーが口の中に当たる感じが続く 〇違和感が痛みになることもある |
痛み | 新しいマウスピースと交換する際、わずかに痛みが出る | 装置の調節後数日感痛みが続く場合もある |
通院頻度 | 1~3カ月に1度 | 1カ月に1度 |
装置の調整 | およそ7日ごと(患者さま自身が交換することで調節) | 1カ月ごと(通院時に医師が調節) |
7. 体に害の少ないプラスチック製
インビザライン矯正に使用されるマウスピースは、体に害の少ないプラスチック製であることもメリットのひとつです。
- 金属アレルギーでも装着できる
- 装置が口の中を傷つけることがほとんどない
ワイヤー矯正の場合、ワイヤーやブラケットが粘膜を傷つける可能性がある - 数日使用したら使い捨てるため、虫歯や歯周病のリスクが低い
虫歯・歯周病の原因となる食べカスや歯石がたまりにくい

柏先生
マウスピース矯正は体に優しい矯正方法であるとも言えますね。
金属アレルギーの人がワイヤー矯正を利用できないことは多くの人が知っていますが、ワイヤーやブラケットで口内炎ができて痛みを伴うケースがあることを知っている人は少ないのではないでしょうか。
反対に、インビザライン矯正は数日使用したら使い捨てられることについての認知度も低そうです。
およそ7日間でどんどん新しいマウスピースに交換していくので、衛生面でも安心ですね。
インビザラインは体に優しい矯正方法で、アレルギーなどを気にせず万人が利用できる方法なのです。
8. 計画的・段階的に歯を動かせる
そして、インビザライン矯正は計画的・段階的に歯を動かすことができるというメリットがあります。
ワイヤー矯正は歯全体をワイヤーで繋いで歯を動かしていくため、全体が一気に動いていきます。しかし、インビザライン矯正は少しずつ段階的に歯を動かすことができるのです。
その段階を事前に3Dシミュレーションで確認済みなので、矯正途中で自分の矯正に関して不安になることが少ないのも嬉しいポイントです。
さらに、何と言っても少しずつ計画的に動かすことで、矯正によってもたらされる痛みも分散されることもメリットの一つです。
矯正につきまとう痛みや違和感が少ないはとても魅力的ですよね。

柏先生
ここまでお読みいただき、インビザラインにはデメリットもあればメリットも十分にあることが伝わりましたでしょうか?
デメリットを十分に理解し、うまく対処することができるのであれば、多くのメリットを感じられる矯正方法であることは間違いありません。
では、最後にインビザライン矯正(マウスピース矯正)における注意点を解説します。
■インビザライン矯正を検討する際の注意点

この章では、メリット・デメリットに納得した上でインビザラインが良いという人に向けて、気をつけておきたい注意点をお伝えいたします。
以下が注意点になります。
- 経験・技術がある歯科医師を選ぶ
- 部分矯正で対応できるかを検討する
- 抜歯の必要性の有無を確認する
- 問題の根本的な原因を知っておく
では早速ひとつ目の項目から見ていきましょう。
1. 経験・技術がある歯科矯正医を選ぶ
ひとつ目の注意点は経験・技術がある「歯科矯正医」を選ぶことです。
その理由は以下の通りです。
- 歯科医師によって治療計画・方針が異なる
- 講習会を受けた歯科医師であれば矯正治療ができてしまう
- 症例が少ない医師だと失敗するケースもある
- 経験の少ない歯科医師だと抜歯を伴う矯正が難しい
インビザライン矯正は特に歯科医師によって矯正治療の効果が左右される治療法であることは、デメリットの際にお伝えしましたよね。
やはり症例数(経験値)の多さと技術はある程度比例する部分があり、経験豊富な歯科医師の方が幅のある矯正治療ができます。
インビザライン矯正(マウスピース矯正)をする場合には、多少時間がかかっても経験・技術がある歯科医師を選びましょう。
2. 部分矯正で対応できるかを検討する
2つ目の注意点は、『部分矯正』で対応できるかを検討することです。
インビザライン自体は、全体矯正・部分矯正(前歯矯正)のどちらも可能ですが、中には部分矯正のみに対応しているインビザラインGoという矯正方法もあります。
部分矯正とは全ての歯を動かすことなく、気になる歯とその周辺の歯だけを部分的に動かす矯正方法です。
図にあるような軽度の症状であれば部分矯正で対応できるケースが多くあります。



部分矯正の際に歯が動くスペースを作るための方法として、有力な方法は「IPR」です。
「IPR」とは歯と歯の間をわずかに(0.1~0.5mm)削合してスペースを獲得する方法で、健康な歯を失わずに矯正のスペースを作り出すことができる方法です。
スペース確保のために抜歯という選択肢もありますが、抜歯をした場合歯列全体の矯正をしないと噛み合わせに影響が出る場合があるためインビザラインでの部分矯正にはあまり向いていません。
また、歯列を外側に押し出してスペースを確保する方法もあります。しかし、これ自体に全体矯正をする必要があるため、手軽に矯正できるというインビザラインでの部分矯正のニーズとはずれていますね。
しかし注意点として、『インビザラインGo』のライセンスは歯科矯正の知識が少ない歯科医師でも取得することができるため、きちんとした治療計画に沿って治療が行われるか疑問が残る部分もあります。
部分矯正(前歯矯正)を検討する場合には様々な方法がありますので、しっかり歯科矯正医と相談してから決めるようにしましょう。
3. 抜歯の必要性の有無を確認する
インビザライン矯正でも抜歯を伴う矯正ができるので、抜歯の必要性の有無を確認しておく必要があります。
「インビザライン矯正では抜歯を伴う治療ができないと言われた」という方もいるようですが、技術・経験のある歯科医師であれば問題なく抜歯を伴う治療が可能な場合が多いです。
抜歯しないという歯科医師の場合は、以下の2パターンあります。
- 抜歯せずにインビザライン矯正した場合の費用・期間・治療計画
- 抜歯してインビザライン矯正した場合の費用・期間・治療計画
この2つを比較した説明を聞いて、納得できるのであれば信頼できるのではないでしょうか。
ご自身の歯並び・噛み合わせと似た、症例のビフォーアフターを見せていただくことも有効です。この時重要なのは、担当医の先生が実際に治療を行ったかどうかを確認することを忘れないでください。
最善のインビザライン矯正(マウスピース矯正)をするには明確な治療計画があってこそなので、歯科医師にしっかり確認しておきましょう。
4. 問題の根本的な原因を知っておく
最後の注意点は問題の根本的な原因を知っておく必要があるということです。
歯並びや噛み合わせが気になって歯科矯正を希望していると思いますが、その根本的な原因を知った上で矯正しなくては本末転倒です。
歯並びや噛み合わせが悪いのには先天的に悪いケースと後天的に悪くなったケースがあります。
先天的に悪いケースであれば、生活習慣や体の癖が原因となっている可能性は低いので問題ありません。
しかし後天的に悪くなったケースは、その原因を知っておかないと歯並びや噛み合わせが治っても再び悪くなる可能性を否定できません。
- 舌癖の悪さ
- 頬杖
- 噛み癖
- 寝方
- 口呼吸
これらの要因を改善するためには自身で努力できることは努力していただく必要があります。後天的に悪くなってしまった歯並びや噛み合わせを矯正治療だけで完全に治すことは難しいのです。
この記事のまとめ

柏 英希
- 歯科医師の技術・経験に左右されやすい
- マウスピースの装着を自己管理できない人は効果が薄い
- マウスピース矯正では世界一の実績がある方法
- 矯正によって制限される行動がほとんどない
- 生活習慣や体の癖が原因の場合、ご自身の努力もある程度必要
いかがでしたでしょうか?
この記事ではインビザライン矯正のデメリット・メリットをご覧いただき、インビザラインを選ぶ際の注意点をお伝えしていきました。
歯は一生必要なモノなので後悔しないように慎重に治療方法を選んだ方が良いと思い、歯科矯正医の立場から記事を書かせていただきました。
インビザラインにはメリットが多くあるので、そちらに目が行きがちですがデメリットも踏まえてしっかり選択できるとベストです。
もし『インビザライン』が気になるな…と思っている方がいましたら、ご気軽にご連絡ください。