
柏 英希
出っ歯矯正前後の横顔の変化と、横顔以外の変化を理解することができます。
また、出っ歯の矯正をしてご自身の横顔を変えたいと思っている人が、矯正医に伝えるべき内容についてもご紹介します。
出っ歯治療のご相談を受ける際、意外と多いのが「Eラインをきれいにしたい」というお悩み。横顔の美しさを測るうえで重要視されるEラインは、やはり気になる方が多いようです。
結論として、出っ歯矯正により美しいEラインを手に入れることは可能です。
本記事では、出っ歯矯正の前後のイラストを交えながら、横顔がどのように変化するのかを中心にご紹介いたします。また横顔以外の変化や、出っ歯矯正を依頼する場合の注意点などについても解説していきます。
出っ歯矯正前後の横顔の変化

本項では「出っ歯矯正前後で横顔がどのように変化するのか」を解説します。以下3つの表情において、どのような変化が起こったのか詳しく図解していきます。
- 口を閉じているとき
- 笑ったとき
- 喋っているとき
口を閉じているとき
はじめに、口を閉じているときの横顔の変化です。
横顔を評価するときにひとつ指標とされているのが、顔を横から見たときに、鼻の先端と顎を結んだ線、「Eライン」を軸に評価していきます。
鼻の先よりも唇の位置が少し内側にあるのが理想のEラインと言われていますが、出っ歯の人は上唇がラインを超えてしまっている場合がほとんどです。

しかし、矯正後は上の前歯が後ろに下がることで、上唇も後ろに下がっていることがお分りいただけますでしょうか? すべてがEラインの内側におさまり、理想のEラインをつくれるようになっています。
笑ったとき
次に、笑ったときの横顔の変化です。
出っ歯の場合は笑うと歯が唇よりも出てしまう場合が多く、イラストのように歯が目立ってしまいます。

出っ歯の人の中には、上唇が引き上げられてしまうことで歯と歯茎が露出しやすくなっているガミースマイルの人もいます。
しかし、矯正治療で上の前歯が下がると上唇が引き上げられなくなるため、ガミースマイルが改善されます。
笑っても歯が目立たない綺麗な横顔になるということです。
喋っているとき
最後に、喋っているときの横顔です。
矯正前は喋る時に口を開けると歯が突出してしまっているのが、矯正後は唇よりも内側に歯があることがお分りいただけますでしょうか。

口を開けた時に歯が出てしまうことが気になって人前で喋ることが苦手という人も、出っ歯矯正後は歯が目立たなくなるので自信を持てるようになったというケースをよく耳にします。

柏先生
出っ歯矯正による横顔の変化をご覧いただき、いかがでしたでしょうか? ガミースマイルの場合は正面から見ても出っ歯であることがわかってしまいますが、出っ歯だけの症状の場合は正面より横顔の方が気になりますよね。
出っ歯矯正をすればしっかり歯が後ろに下がり、横顔も綺麗に整うケースが多いことがお分りいただけたのではないでしょうか?
歯並びが原因のガミースマイルにも対応できることも特徴です。
では、次は出っ歯矯正がもたらすそのほかの変化に注目していきたいと思います。
出っ歯矯正前後で横顔以外にも変化はあるのか
本項では、出っ歯矯正前後によってもたらされる横顔以外の変化を解説します。 矯正治療では出っ歯が解消するだけではなく、そのほかに以下のような変化を感じられる可能性があります。
- 顔の感じが優しくなる
- 顔のエラが消えた
- しっかり噛めるようになった
- 体のバランスが良くなった
顔の感じが優しくなる
出っ歯矯正前後で横顔以外の変化として、顔の感じが優しくなると感じる人がいるようです。
治療前の方が治療後よりも目の下が出っ張り、丸顔だったのが少し卵型になり小顔になっているかと思います。
笑った時の口元もスマイルラインが改善され美しくなったことがお分りいただけますでしょうか?

- 顔面筋(咬筋)の緊張が緩和
- 抜歯によって顎骨の角ばりが取れる
- 口周りの筋肉バランスが整う
このように歯列矯正により顎骨や表情筋のバランスが改善されると、顔貌にも変化が現れる可能性があるのです。
顔のエラが消えた
出っ歯矯正前後で横顔以外の変化として、「顔のエラが消えた」と感じる人もいるようです。
歯並びが悪いと特に口周りの筋肉が強張ってしまうケースが多く、それによってエラがはってしまいます。しかし、矯正後はエラのハリがなくなって顔周りがスッキリしていることが分かりますね。

エラの張りが減った理由は、矯正によって以下のような問題があるからです。
- 歯並びが整い、口周りの筋肉を無駄に使わなくなった
- ・歯全体の噛み合わせが整い、顔の筋肉のはりが減った
- ・歯ぎしりがなくなった
- ・食いしばりがなくなった
出っ歯の矯正治療によって顔周りの筋肉の使い方が変わると、顔の形にも変化が出てくるのですね。
しっかり噛めるようになった
出っ歯矯正前後で横顔以外の変化として、「食べ物をしっかり噛めるようになった」と感じる人もいるようです。
出っ歯の矯正では前歯を後ろに下げるだけではなく、その下げた前歯でもしっかり噛めるように全体の噛み合わせも調整する必要があります。
これまでは上の前歯が前に出ていることでうまく食べ物を噛めていなかった人は前歯でしっかり物を噛めるようになります。
- 変に噛む必要がなくなり顔の左右バランスが整う
- 食べ物をしっかりすり潰せるため胃への負担が減る
体のバランスが良くなった
出っ歯矯正前後で横顔以外の変化として、「体のバランスが良くなった」と感じることもあるようです。 矯正前は噛み合わせが整っていないことで顎関節のバランスの乱れが全身のバランスの乱れにつながっていた人も、矯正によってそれが改善されバランスが良くなったと感じることがあります。

出っ歯で噛み合わせが悪くなると顎や首の筋肉が過緊張の状態になり、頭の重心をうまく支えられなくなります。これにより、全身がそれをフォローしようと動くと体全体のバランスが悪くなるのです。
この状態に陥ると以下のような症状が出てしまう可能性があります。
- めまい
- 肩こり
- 頭痛
- 腰痛
- ふらつき
しかし、出っ歯矯正によって前歯を治療するだけでなく歯列全体の噛み合わせも治療すると、うまく噛み合わせが機能することになり全身のバランスも整ってくる可能性があるのです。

柏先生
『出っ歯矯正がもたらす様々な変化』をご覧いただき、いかがでしたか? 出っ歯はその見た目が気になる症状ですが、実は見た目の問題だけでなく、噛み合わせが悪いことで体にも様々な影響を与えていたということがご理解いただけたかと思います。
では最後に、出っ歯矯正で横顔を治す場合に矯正医師に伝えておいた方が良いことをいくつか紹介していきます。
出っ歯矯正で横顔を治したい人が矯正歯科医に伝えること

最後の章では、出っ歯矯正で横顔を治したい人が矯正歯科医に伝えるべきことを解説します。
歯科医院に行ったら安心というわけではなく、伝え方をミスすると希望通りの施術が行われないこともあります。
- Eラインを意識した治療計画を希望すること
- ガミースマイルを治す場合はそのイメージ
- 奥歯の噛み合わせを重視してほしいこと
- 抜歯をする場合は明確な理由が必要なこと
- インビザラインでの矯正を希望すること
Eラインを意識した治療計画を希望すること
出っ歯矯正で横顔を治したい人は、歯科矯正医にEラインを意識した治療計画を希望していることを伝えるべきです。 矯正後にどのような横顔になりたいかを共有することはとても大切で、その際にEラインを意識した治療計画を希望することを矯正医に忘れずに伝えた方が良いでしょう。

矯正は治療計画や矯正器具を作成・装着する矯正医の技術に委ねられているため、少しでも細かにイメージを伝えておかなければ損をします。
そのイメージが無理だという場合には医師からそう告げられるはずですが、伝えておくのと何も伝えておかないことでは矯正後の心の持ち用が変わります。
後々言っておけばよかった…と後悔してしまうこともありますので、事前に医師に横顔の仕上がりも気にしていることをきちんと伝えておきましょう。
ガミースマイルを治す場合はそのイメージ
ガミースマイルの人が出っ歯矯正で横顔を治したい場合には、矯正歯科医に治療後のイメージをしっかり共有しておきましょう。

- 歯列の問題(歯並びが悪い)
- 歯の問題(歯が短い・小さい)
- 歯茎の問題(歯茎が長い)
- 骨格の問題(上下の顎のサイズが異なる)
- 骨格の問題(上下でずれている)
歯列の問題のみであれば矯正治療で対応できますが、その他が原因の場合でも他の治療を併用すれば治療することが可能です。
歯並びが悪いことで上唇が下に下がらない状況の人は、矯正治療で出っ歯を改善すると唇が下に降りやすくなりガミースマイルも解消されます。
しかし、原因がその他のものである場合には、出っ歯の矯正治療でどこまでガミースマイルが改善されるか、最終的な理想の口元の様子などをしっかり医師と話し合っておくべきです。
可能性があれば矯正医が何か治療方法などを提案してくれる可能性があるので、まずは常にオープンな関係でいることが大切です。
奥歯の噛み合わせを重視してほしいこと
出っ歯矯正で横顔を治したい場合でも、歯科矯正医に奥歯の噛み合わせを重視してほしいことを改めて伝えておくべきです。
矯正を進めていくと歯が動いてきて矯正途中においてはうまく噛み合わせができない時期も存在します。
しかし、その中でも事前に噛み合わせを重視していることを伝えておけば、通院した際に今後その噛み合わせがどのように変化し最終的にうまく噛み合ってくるのかを伝えてくれるはずです。
出っ歯や歯列が綺麗に治ったという人の中には、稀に噛み合わせがうまくできない失敗例もあります。
出っ歯で歯を下げることや横顔を綺麗にすることも大切ですが、最終的に噛み合わせがうまくできないなんてリスクを避けるためにしっかり医師とコミュニケーションをとりましょう。
抜歯をする場合は明確な理由が必要なこと
そして、出っ歯矯正治療で横顔を治したい人は、抜歯をする場合には明確な理由を歯科矯正医に説明してもらいましょう。
それは抜歯には色々なリスクが伴っているためです。
- 健康な歯を失うリスク
- 虫歯・歯周病の際、治療選択肢が減るリスク
- 良好だった噛み合わせがずれるリスク
- 顔の輪郭が変わるリスク
健康な歯は一度失うと戻ってきません。
しっかり治療計画を立てている医師であれば、抜歯後に歯がどのように動き、顔の輪郭がどのように変わっていくかをしっかり説明してくれるはずですので心配ありませんよ。
まずはきちんとした説明をお願いすることです。
インビザラインでの矯正を希望すること
出っ歯矯正で横顔を治したい人は、インビザラインでの矯正を希望していることを伝えてみましょう。
インビザラインとはマウスピース型の矯正装置で、奥歯の後方移動や歯列の側方拡大に長けているため抜歯を伴わない出っ歯治療を可能にしてくれます。
- 奥歯の後方移動
- 歯列の側方拡大
もちろん出っ歯の度合いによっては抜歯が必要な場合やワイヤー矯正が必要な場合も出てきますが、絶対にそれでなければならない理由がある場合以外はインビザラインでの治療を希望することをお勧めします。
インビザラインで出っ歯治療をするメリットは以下の通りです。
- 抜歯を避けた出っ歯治療
- 治療中の痛みを分散
- 治療計画が明確
- 3D動画で出っ歯がどのように動くか確認可能
- 治療中に虫歯や歯周病になるリスクが低い
もしその矯正歯科医院がインビザラインを扱っていない場合は、必然的にワイヤー矯正になってしまう可能性もありますのでご注意ください。

柏先生
ここまでご覧いただきいかがでしたでしょうか? 出っ歯矯正では横顔の変化だけではなく、そのほかにも色々と享受できるメリットがあることがご理解いただけたと思います。
矯正治療においてまず大切なのは終わった後に後悔しないよう、治療を担当する歯科矯正医と密なコミュニケーションをとりながら進めていくことです。
技術や経験がある歯科医師であれば患者さんの気持ちに寄り添って様々なアドバイスをくれるはずですので、とても心強い存在になるはずです!
出っ歯でお悩みの方は、まずお近くの歯科矯正医院まで相談に行ってみてください。
この記事のまとめ

柏 英希
- 横から見て鼻の先端と顎を結んだ線が『Eライン』
- Eラインの内側に全てが入るようにすると綺麗な横顔になる
- 出っ歯矯正では顔の輪郭が変わる可能性もある
- 噛み合わせがよくなり体のバランスが整うこともある
- 歯並びが原因のガミースマイルも治せる
記事の中では、横顔以外の変化についても説明し、これから出っ歯矯正で横顔を治す人が歯科矯正医に伝えた方が良いことも合わせてご紹介いたしました。
まずは医師と一緒に横顔をどのように変化させたいか、噛み合わせに関する不安などを正直に話し合い、最善の治療ができるように努力しましょう。
もし少しでも出っ歯矯正に不安がある場合には、千葉県で初めてインビザライン治療を始めた当院にお任せしてみてはいかがでしょうか?
あなたのお悩みを親身に聞かせていただき、ベストな矯正治療をご提案させていただきます。