八重歯によるほうれい線は矯正治療で消える理由を徹底図解

矯正治療で悩む古谷さん

ほうれい線の原因って年齢だけではなく、八重歯なんかも関係しているって聞いたことがあるんだよねえ。私年齢のわりにほうれい線が多いような気がするから、八重歯の矯正治療をしたらほうれい線がなくなるのかな?

歯科矯正医 柏先生

古谷さんのお悩み・・・女性の患者さんで同じことを相談しにいらっしゃる人が多くいるんですよ。

ほうれい線って加齢だけが原因ではなく歯並びの悪さも関与していることを知って、歯科矯正の面からもアプローチしようと相談に来てくださるんですよね。

 

でも、ほうれい線の原因って・・・

  • 加齢によるもの
  • 呼吸の問題によるもの
  • 歯並びや噛み合わせの問題によるもの

と、様々な可能性があるんです。

 

加齢によるほうれい線を歯科矯正医が取り除くことはできませんが、下の二つは歯科矯正医が対応できる可能性があります。

この記事では、八重歯矯正治療でほうれい線を消すために患者さんが知っておいたほうが良いことを説明していくので、ほうれい線に悩んでいる人は必見ですよ!

最後に実際の八重歯矯正治療の症例も紹介しますので、より治療のイメージが湧いてくるはずです。

では、見ていきましょう!

 

八重歯が原因でほうれい線ができる3つの理由

この章では、なぜ八重歯が原因でほうれい線ができるのかを解説いたします。

八重歯矯正治療でほうれい線を消したい人は、まず八重歯とほうれい線の関係性を理解することが非常に有効です。

なぜ、八重歯があるとほうれい線ができてしまうのかをこの章で詳しく説明していきます。

  • 顔まわりの表情筋がうまく働かないため
  • 頬と口横の境目が折れやすくなるため
  • 口呼吸になりやすいため

顔まわりの表情筋がうまく働かないため

八重歯が原因でほうれい線ができる場合の一つ目の理由は、顔まわりの表情筋がうまく働かないためです。

八重歯があることによって歯列全体の噛み合わせが悪くなり、顔まわりの表情筋がうまく働かずほうれい線ができてしまうのです。

ほうれい線に関係する筋肉
  • 前頭筋
  • 側頭筋
  • 眼輪筋
  • 口角挙筋
  • 頬筋
  • 口輪筋

噛み合わせが悪いことで顔全体の筋肉に悪影響を及ぼし、顔全体にハリがなくなることに繋がるのです。

頬と口横の境目が折れやすくなるため

八重歯が原因でほうれい線ができる場合の二つ目の理由は、頬と口横の境目が折れやすくなるためです。

上の歯列に八重歯があることによって、上唇が上にめくれやすくなり下がりにくくなる場合があります。

笑うたびに境目が折れることで、境目部分の線(ほうれい線)が顔に刻まれていきます。

八重歯があって噛み合わせも悪くなってしまっている場合には、表情筋が動かされず皮膚の表面が固まり、さらにほうれい線が目立つのです。

若いうちはあまり気にならないかもしれませんが、加齢で皮膚のコラーゲンやエラスチンが減少すると上頬の皮下脂肪が下がってきてブルドッグ顔になってしまうので注意が必要です。

口呼吸になりやすいため

八重歯が原因でほうれい線ができる場合の三つ目の理由は、口呼吸になりやすいためです。

歯が重なって生えていたり出っ歯気味になってしまったりしている場合は、口を閉じるのに力が必要になります

口を閉じられないと口呼吸になり、以下のような現象が起こってほうれい線ができやすくなってしまうのです。

口呼吸がもたらす影響
  • 口内の乾燥(虫歯・歯周病・口臭の原因)
  • 口周りの筋力低下
  • 顔のたるみ
  • 猫背になる
  • 僧帽筋のコリ・衰え(表情筋に繋がる筋肉)

口呼吸になるとほうれい線ができるだけでなく、猫背や肩こり、顔全体がしぼむなど体にとってよくない症状が起こりやすくなるので要注意です。

歯科矯正医 柏先生

さあ、八重歯があるとほうれい線ができてしまう理由をご覧いただきいかがでしたでしょうか。

八重歯は放っておくとほうれい線だけではなく、体全体によくない症状が次々と出てしまう可能性もあるので注意が必要ですよ。

この章ではなぜ八重歯によってほうれい線ができてしまうのかを説明しましたが、次の章では八重歯矯正をすることでなぜほうれい線が消えるのか、その理由を説明していきます。

八重歯矯正でほうれい線が消える3つの理由

この章では、八重歯矯正でほうれい線が消える理由を解説いたします。

八重歯矯正をして正しい歯列の並び・噛み合わせになった場合は、以下の理由でほうれい線が消えていきます。

  • 口周りの筋肉が正しく働くようになるため
  • 唇が上にめくれることがなくなったため
  • 口呼吸が鼻呼吸に変わるため

では、一つ目から見ていきましょう。

口周りの筋肉が正しく働くようになるため

八重歯矯正でほうれい線が消える一つ目の理由は、口周りの筋肉を正しく使えるようになるためです。

八重歯があることで正しく噛み合っていない状態では使われることのなかった表情筋が、歯列や噛み合わせを正すことによって正しく働くようになります。

顔の表情は様々な筋肉が適切に働くことでつくられていますが、噛み合わせが合わないことで表情をつくる顔の筋肉が正しく働かなくなります

 

八重歯矯正では歯列全体の噛み合わせを改善することができるので、それによって顔まわりの筋肉が正しく働くようになりほうれい線が消えるのです。

唇が上にめくれることがなくなったため

八重歯矯正でほうれい線が消える二つ目の理由は、唇が上にめくれることがなくなったためです。

八重歯があると上唇は閉じにくく上にめくれやすい状態になりますが、八重歯矯正によって八重歯が正しい位置におさまると上唇に歯が引っかかることがなくなってめくれにくなります

笑った時に上唇が過度にめくれ上がることもなくなるので、八重歯治療でほうれい線の原因となる折れ目ができるのを防ぐことができるのです。

上にめくれやすい状態だと頬と口横の境目が折れやすくなりほうれい線ができますが、上唇がめくれなければ境目は折れにくいのでほうれい線が消えるのです。

口呼吸が鼻呼吸に変わるため

八重歯矯正でほうれい線が消える三つ目の理由は、口呼吸が鼻呼吸に変わるためです。

八重歯があると前歯が少し突出し口が閉じにくいため口呼吸になりがちですが、八重歯を矯正して簡単に口を閉じられるようにすれば鼻呼吸に変わります。

口呼吸の及ぼす悪影響は前章でお伝えしましたが、鼻呼吸に変わると体に様々な良い影響がありほうれい線も消えていきます。

鼻呼吸の及ぼす影響
  • 口角が上がる
  • フェイスラインがスッキリする
  • まぶたのたるみがない
  • 頬が引き締まる

八重歯矯正をしたら鼻呼吸がしやすくなるので、顔まわりがスッキリして肌にもハリが出てくる人が多いです。

 

歯科矯正医 柏先生

さあ、八重歯矯正でほうれい線が消える理由をご覧いただきいかがでしたでしょうか。

八重歯を矯正して歯列や噛み合わせを治療することで、ほうれい線が消えるだけでなく顔まわりがスッキリして健康的な印象を作ることができるのをおわかりいただけましたでしょうか。

 

では、次の章では八重歯矯正でほうれい線を消すための具体的な施術を紹介していきます。

八重歯矯正でほうれい線を消すための施術

この章では八重歯矯正でほうれい線を消すための施術を具体的に解説いたします。

治療計画をたてたり治療を実際に実施したりするのは歯科矯正医ですが、患者自身も治療に関する理解を深めておいた方がお互いにスムーズで納得のいく治療を進めていけます。

どのような仕組みで八重歯が矯正されるのか、そして八重歯の矯正によってどのようにしてほうれい線が消えるのかを最低限は理解しておくべきですよね。

施術で意識すること
  • 表情筋がうまく働く
  • 上唇が正常に下がる
  • スムーズに口が閉じる

では、一つ目から見ていきましょう。

表情筋がうまく働くよう噛み合わせを意識した施術

八重歯矯正でほうれい線を消すには、表情筋がうまく働くよう噛み合わせを意識した施術をすることが大切です。

八重歯矯正では八重歯を正しい位置に移動させるだけでなく、正しい位置に八重歯を移動させながらしっかり噛める噛み合わせを作る必要があります。

 

通院する度に歯科矯正医に噛み合わせの感じ方をしっかり伝えることで、矯正が終了する最終な段階でストレスなくものが噛めるようになります

 

矯正治療が完了する時に突然噛み合わせに違和感があることを伝えた場合そこから噛み合わせを微調整する治療をすることになり治療期間が伸びてしまいます

 

八重歯矯正をする場合には、最初から八重歯の位置だけでなく噛み合わせも意識した施術をしましょう。

上唇が正常に下がるように前歯の位置を意識した施術

八重歯矯正でほうれい線を消すには、上唇が正常に下がるよう前歯の位置を意識した施術をすることが大切です。

八重歯がある状態では上唇がすぐにめくれてしまいますが、これ前歯が少し前に出ている状態(出っ歯気味)でも起こる現象です。

 

常に口横と頬の境目が折れないような前歯の位置を歯科矯正医に相談して、八重歯矯正を進めていきましょう。

スムーズに口が閉じるよう歯列の突出を意識した施術

八重歯矯正でほうれい線を消すには、スムーズに口が閉じるよう歯列の突出を意識した施術をすることが大切です。

 

八重歯であり出っ歯の人が八重歯矯正でほうれい線を消すには、特に歯列全体の突出に注意しておく必要があります。

 

口がスムーズに閉じるように八重歯・出っ歯を改善することで、口呼吸から鼻呼吸へと変わり顔全体の印象が変わります。

 

歯列全体を後ろに下げる必要があり、奥歯の後方移動・歯列の側方拡大・IPRでスペースが確保できない場合は、抜歯を伴う可能性もあります。

 

八重歯矯正では八重歯の位置に加えて歯列の突出も意識した施術をすることで、口呼吸を改善しほうれい線のないハリのある顔つきが期待できるのです。

歯科矯正医 柏先生

この章では八重歯矯正でほうれい線を消すための施術を説明しましたが、ただ八重歯の位置だけを治療するのではなく、何を意識して施術をしてもらうべきなのかおわかりいただけましたでしょうか。

 

この章でお伝えした内容は専門的な知識を有する歯科矯正医が治療計画を立てる際に考慮してくれる部分ではありますが、治療を受ける患者さん自身も頭に入れておいた方がよりスムーズで納得のいく治療が受けられます。

 

では、次は実際の八重歯治療の症例をご紹介していきたいと思います。

よりリアルなイメージが湧くと思いますので、今後治療を検討している方は必見ですよ!

八重歯矯正治療の3症例

この章では、実際に我が医院で治療した八重歯矯正治療の症例をご紹介いたします。

紹介するのは、どれも抜歯をせずにインビザラインを用いて八重歯矯正治療が完了した施術です。

  • 11歳 上下顎に中等度の叢生(八重歯)で唇が上にめくれやすい症例
  • 19歳 上顎に中等度、下顎に軽度の叢生(八重歯)で噛み合わせが悪い症例
  • 40歳 上顎に中等度、下顎に軽度の叢生(八重歯)で口呼吸になっている症例
歯科矯正医 柏先生

今後八重歯矯正を検討されている人は治療のイメージがより湧きやすくなると思うので、ぜひご覧ください!

上下顎に中等度の叢生(八重歯)で唇が上にめくれやすい症例

【Before】

【After】

 

年齢・性別 11歳・女性
治療期間 1年10ヶ月
抜歯 抜歯はしていません
治療費 90万円(税抜)

※施術の副作用(リスク):疼痛、咬合時痛、知覚過敏、歯根吸収、歯肉退縮が生じる可能性があります。

 

歯科矯正医 柏先生

『上下の前歯のガタつき(特に八重歯が気になる)』と『口横と頬の間のシワ』を主なお悩みとして来院されました。

まだ小さなお子様なのにほうれい線のようなシワが気になるとのことで相談にいらしたそうです。

精密検査を行い、上下顎に中等度の叢生を伴う症例で、八重歯があることで上唇がめくれやすいことからシワができていると診断しました。

上唇が八重歯に引っかかって上にめくれやすく、下までおりにくいことが原因で口横と頬の境目が折れやすくシワになっていたのです。

マウスピース型矯正装置(インビザライン)で八重歯を正しい位置に移動させ、歯列全体の歯ならび・咬み合わせを調節して治療を完了しました。

八重歯が正しい歯列におさまったことで上唇が引っかかることがなくなったので、顔のシワも次第に消えていきました。

上顎に中等度、下顎に軽度の叢生(八重歯)で噛み合わせが悪い症例

【Before】

【After】

 

年齢・性別 19歳・女性
治療期間 1年9ヶ月
抜歯 抜歯はしていません
治療費 90万円(税抜)

※施術の副作用(リスク):疼痛、咬合時痛、知覚過敏、歯根吸収、歯肉退縮が生じる可能性があります。

 

歯科矯正医 柏先生

『上下の前歯のガタつき(特に左上の八重歯)』と『ほうれい線』を主なお悩みとして来院されました。

ほうれい線が目立つ年齢ではないのに、シワが気になるとのことでした。

精密検査を行い、上顎に中等度、下顎に軽度の叢生を伴う症例で、噛み合わせの悪さから表情筋がうまく働いていないという診断をしました。

表情筋がうまく働かないことで顔全体がたるんでしまい、ほうれい線ができてしまっていたのです。

そのため、マウスピース型矯正装置(インビザライン)で八重歯を正しい位置に移動させることに加えて、歯列全体の咬み合わせを治療しました。

正しく食べ物を噛めるようになると顔まわりの表情筋も正しく働くようになり、顔のたるみが改善されほうれい線も次第に消えていきました。

上顎に中等度、下顎に軽度の叢生(八重歯)で口呼吸になっている症例

【Before】

【After】

 

年齢・性別 40歳・女性
治療期間 1年9ヶ月
抜歯 抜歯はしていません
治療費 90万円(税抜)

※施術の副作用(リスク):疼痛、咬合時痛、知覚過敏、歯根吸収、歯肉退縮が生じる可能性があります。

 

歯科矯正医 柏先生

『上下の前歯のガタつき(特に左右の八重歯)』と『ほうれい線』を主なお悩みとして来院されました。

精密検査を行い、上顎に中等度、下顎に軽度の叢生を伴う症例であることから口呼吸になり、顔が全体的にたるんでいるという診断をしました。

この患者様は前歯部分の突出感も見られました。

そこで、マウスピース型矯正装置(インビザライン)で八重歯を正しい位置に移動させることに加え、前歯部分の突出感をなくす治療をしました。

歯並びを整えるのと同時に、全体的に歯列を少し後ろに下げ咬み合わせを改善し治療を完了し、鼻呼吸ができるよう口を閉じやすくしました。

治療が完了してしばらく経過すると、鼻呼吸に変わったことで顔つきが変わっていきほうれい線も消えていきました。

まとめ

この記事をご覧いただき、八重歯によるほうれい線が矯正治療で消せることがお分りいただけましたでしょうか。

ほうれい線の原因は八重歯だけではありませんが、八重歯の矯正治療でほうれい線を改善できる場合も多くあります。

では、この記事をおさらいしていきます!

八重歯によるほうれい線が矯正治療に関するまとめ
  • ほうれい線ができる原因の一つが八重歯
  • 八重歯があることで咬み合わせが悪くなる
  • 噛み合わせが悪いと表情筋が衰えほうれい線ができる
  • 上唇が八重歯に引っかかるとほうれい線ができやすい
  • 八重歯矯正治療でほうれい線は消せる
  • 八重歯の位置だけでなく歯列全体の並びや噛み合わせも改善する
  • 全体の歯列・咬み合わせがほうれい線のないハリのある顔をつくる
  • 納得いく矯正治療をするには患者側も施術のポイントを理解しておくべき
歯科矯正医 柏先生

ほうれい線が気になっている人は加齢によるものだと決めつけるのではなく、歯並びや噛み合わせの悪さもほうれい線の原因になることを頭に入れておいてくださいね。

この記事を読んで、ご自身のほうれい線が歯並びや噛み合わせが原因と感じた場合はぜひお近くの歯科矯正医院まで相談に行って見てくださいね。

 


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