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八重歯
部分矯正

八重歯で部分矯正できない例を歯科矯正医が徹底図解

Date: 2024.07.19
この記事を読んでわかること
柏 英希
インビザラインDr.
柏 英希

八重歯の部分矯正ができない症例とできる症例を知ることができます。

また、八重歯の部分矯正事例が少ない理由などの、ちょっとした歯科業界の裏話にも触れています。

八重歯の矯正を検討されている方は、「八重歯だけを矯正したい」と考えている人が多いようです。ですが、実は八重歯のみを矯正するケースは、歯科矯正の業界全体で見ても非常にレアなケースとなります。 本記事では、八重歯の部分矯正ができない例と、その理由をご紹介していきます。

八重歯の部分矯正ができない例

八重歯の部分矯正を希望する人は多くいますが、そのほとんどが部分矯正だけでは対応できないのが事実です。

この章では八重歯の部分矯正ができない例として以下の3つを挙げながら解説していきます。

〇八重歯の部分矯正できない例

インビザラインDr.
柏先生

上記を見ると分かってしまうかもしれませんが、八重歯だけに集中して矯正すればいいという問題ではないことが分かります。

実は八重歯が目立っているからと言って、他に問題がないわけではないのです。そのため、様々な症例を想定しながら矯正プランを作る必要があるので、知識と経験が伴ってなければ難しい施術になります。

では、八重歯で部分矯正できない3つの症例について詳しく見ていきましょう。

①八重歯以外の問題と併発している場合

八重歯の人で以下のような問題を併発している場合、部分矯正で治療することができません。

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八重歯と併発すると部分矯正できないもの
  • 出っ歯
  • 全体的な噛み合わせが悪い

八重歯や出っ歯は一見一部分だけの問題のように見えますが、実はすべての歯の位置を動かさないと治せない場合がほとんどです。

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全顎矯正が必要な理由
  • 八重歯 … 八重歯を正しい位置に収めるためのスペースが必要
  • 出っ歯 … 前歯を後ろに下げるためアンカーなどで引っ張る必要がある

このように八重歯を治療するには部分矯正だけでは事足りない場合が数多くあります。

②3mm以上のスペースが必要な八重歯の場合

また、前歯に3mm以上のスペースが必要な場合の八重歯は、部分矯正で治療することができません。

部分矯正の場合は抜歯や歯列拡大などができず、八重歯が入るスペースを作るにはIPR(ストリッピング)で歯に隙間を作るしかありません。

用語解説

※ IPR
歯にヤスリをかけてエナメル質の部分を削る方法

③過蓋咬合(噛み合わせが深い)の場合

過蓋咬合(かがいこうごう)とは下の前歯が上の前歯の奥を噛んでいる状態で、この場合も八重歯治療を部分矯正で治すことができません。

理由は矯正後に歯が元に戻らないようにする保定装置を装着することが難しく、せっかく矯正しても後戻りしてしまう可能性が高いためです。

この場合は、全体矯正で過蓋咬合を治療しない限りは、部分矯正で八重歯治療をしても後戻りしてしまう可能性があります。

部分矯正できない八重歯の症例をご覧いただき、いかがでしたでしょうか。

ここまで否定されると一体どんな八重歯ならば部分矯正できるのか気になりますよね。

八重歯で部分矯正できる事例は少ない

八重歯矯正治療を部分矯正で実施することは難しく、実際に治療できた事例も少ないのが事実です。では、反対にどのような条件が揃えば部分矯正で八重歯治療ができるのでしょうか?

この章では部分矯正だけで八重歯治療ができるために3つの条件をお伝えします。

この3つの条件すべてを満たしていないと八重歯の矯正治療をすることができません。

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部分矯正で八重歯の治療をする3つの条件
  1. 八重歯だけに問題がある場合
  2. 前歯のスペース不足が3mm以上を超えない場合
  3. 噛み合わせに問題がない場合

①八重歯だけに問題がある場合

八重歯だけの問題である必要があり、他の噛み合わせや歯並びの悪さを伴っている場合、部分矯正は難しいです。

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八重歯だけの問題である例
  • 八重歯が少しねじれている
  • 八重歯が少しだけ隣の歯と重なっている

部分矯正はあくまで前歯の軽度の歯並びを矯正する方法であり、その他の問題を伴っている場合には適していません。

少しの八重歯のねじれや歯の重なりを治すにはぴったりですが、それだけしか問題がない人は逆に少ないのです。

②前歯のスペース不足が3mm以上を超えない場合

前歯にスペースがないと八重歯を正しい位置におさめることはできません。そのために必要なスペースを考えた場合、部分矯正で医師が作り出せるスペースはわずか3mmとなります。

3mm以上のスペースを確保するには、抜歯や歯列拡大が必要で全体矯正が適用されます。

八重歯治療のための部分矯正には、前歯のスペース不足が3mm以上を超えないという条件があります。

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前歯がスペース不足にならないケース
  • スペース不足が3mm以下の場合
  • もともと歯に隙間がある
前歯がスペース不足にならないケース

隣の歯と隙間がある場合は少しだけ歯を削ればスペースが確保できることができますが、そうでない場合はIPR(ヤスリで削る方法)でスペースを確保します。

このように八重歯が入るスペースを確保できない場合には、八重歯の部分矯正はできないということです。

③噛み合わせに問題がない場合

そして、部分矯正はあくまでも軽度の八重歯治療にしか対応できない方法で、噛み合わせや歯並びがかなり悪い場合には対応できません。

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部分矯正でできること
  • 審美的な面を改善する
  • 軽度な症例の改善

根本的な噛み合わせに問題がある場合は、全体矯正での治療が必要になります。しかし、八重歯の症例には噛み合わせや全体的な歯並びの悪さを伴っているケースが多いのも事実です。

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八重歯の人に多く見られるケース
  • 上下正中のずれ
  • 不正咬合
  • 出っ歯

このように複数の問題を抱えている八重歯には部分矯正での治療は適していません。

費用や期間の問題で部分矯正を希望する人が多いと思いますが、歯の矯正治療は見た目を治すためだけの単純な治療ではありません。

一方で、ここで紹介した3つの条件に当てはまる方はごく稀ですが、部分矯正治療で八重歯を治すことが可能です。とは言っても、ご自身で判断することは難しいと思うので、ぜひ矯正歯科医院に相談してみてください。

八重歯の部分矯正に関する業界の裏側

実は、八重歯の部分矯正はあまり一般的ではありません。

以下がその理由です。

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この章の目次 – 八重歯の部分矯正が一般的でない理由
  1. 八重歯の部分矯正事例が少ない
  2. 歯並びと噛み合わせを両立できない
  3. 部分矯正を扱う医院が抱えるリスク

では、知られざる歯科業界の裏側をみていきましょう。

①八重歯の部分矯正事例が少ない

実は八重歯の部分矯正事例は少なく、八重歯治療のほとんどが全体矯正です。

理由は以下の通り。

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八重歯の部分矯正事例が少ない理由
  • 部分矯正を希望してくる人は全体矯正が必要な場合が多い
  • 部分矯正で対応できる八重歯の症例がかなり限定される
  • 部分矯正で対応できる八重歯の人はかなり軽度で矯正を希望してこない

部分矯正できない人が全体矯正を希望していて、部分矯正できる人は矯正治療を希望していないというニーズのずれが起こっているのですね。

そのため、実際の矯正業界では八重歯治療の部分矯正事例が少なくなっています。

②歯並びと噛み合わせを両立できない

また、部分矯正では歯並びと噛み合わせを両立することができません。

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部分矯正の弱み
  • 前歯で気になる一部分だけしか治せない
  • 全体的な噛み合わせを変えられない

部分矯正はあくまでも前歯一部分の審美的な改善が目的であって、矯正治療の本意とも言える噛み合わせ改善の効果はほぼありません。

抜歯や歯列拡大を伴わずして歯を動かすのには限界があり、八重歯の部分矯正を希望しても歯並びと噛み合わせ治療を両立できないため全体矯正を勧めることが多いようです。

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八重歯と噛み合わせ治療を両立する場合
  • 全体矯正が必須
  • 抜歯・歯列拡大を伴う可能性あり
  • 治療期間・費用的な負担が高まる

八重歯だけでなく噛み合わせの治療も両立させたい場合は全体矯正が必要になり、部分矯正以上に様々な負担がかかります。しかし、全体矯正ならば歯並び・噛み合わせをしっかり治療できるため、部分矯正で中途半端に治療するよりは効率が良いかもしれません。

一度部分矯正したところで、後々噛み合わせも矯正したくなったら二度手間になってしまいます。自分自身にとって最適なプランを組むことが必要です。

③部分矯正を扱う医院が抱えるリスク

部分矯正を扱う医院や担当する医師に、リスクがあることも理由のひとつです。

それは、部分矯正で完璧に歯並びや噛み合わせなどの問題を治療できる可能性が100%ではないということ。

そもそも矯正歯科治療の目的はこの2つです。

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歯科矯正治療の目的
  • 緊密な噛み合わせ
  • 綺麗な歯並び

歯の状態を良くするためにある矯正治療ですが、治療費用や治療期間に妥協すると十分な治療ができず中途半端な結果になってしまう可能性があります。

矯正歯科医は「すべての歯を理想的な位置に動かして治療を完了する」ことを学んで医師になったのに、いろいろな妥協のもと矯正することはリスクがあります。

部分矯正はそもそも全ての歯を動かせず、噛み合わせの問題を解決する力もない妥協した治療方法なのです。

医師の立場からすれば、治療費用・治療期間に制限をかけられた中で矯正治療することは望ましくはありません。

本来ならば全ての歯を動かして治療する必要があっても、動かせないことで思うように歯が動かないリスクもあるのです。

部分矯正であれば、見た目だけ改善できても歯の噛み合わせに問題が残ったままで治療完了となってしまうこともあるということです。

この記事のまとめ

柏 英希
インビザラインDr.
柏 英希
  • 部分矯正で治療できる八重歯はかなり限定される
  • 部分矯正可能な条件①:八重歯だけに問題がある場合
  • 部分矯正可能な条件②:前歯のスペース不足が3mm以上を超えない場合
  • 部分矯正可能な条件③:噛み合わせに問題がない場合
  • 全体矯正の方が歯並び・噛み合わせの改善に適している
  • 費用・期間的な負担が少ないからといって安易に部分矯正を選ぶのは危険
  • 部分矯正では歯並びと噛み合わせ両方を改善するのが難しい
  • 八重歯の部分矯正をやりたがる医院・医師は多くない

八重歯の部分矯正は、条件がかなり限定されていることがご理解いただけたかと思います。

八重歯の部分矯正は、かなり狭き門です。それでも八重歯の部分矯正をしてみたいという方はぜひご相談ください。

自分の歯は一生モノなので、ただ単に見た目がよければ良いと考えるのではなく、歯の役割も大切にしてあげてください。

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