
柏 英希
60代で歯科矯正をした方がよい理由が分かります。また、60代の歯科矯正で注意するべきポイントもご紹介しています。
さらに、矯正方法の比較をした上で、お勧めがインビザラインである理由も解説しています。
まず気になるのは、「60歳を超えていても歯科矯正ができるの?」ということでは無いでしょうか?
結論から申し上げると、60代で歯の矯正治療を受けることは可能です。当院では実際に、64歳の方を治療したことがございます。お口の中の健康が維持できてさえいれば、歯科矯正に年齢の制限はありません。
統計によれば日本人の平均寿命は男性が81.19歳※、女性が87.14歳※、男女の平均は84.17歳です。つまり、現在60歳の方は、続く人生が20年残っていることになります。
そう考えるとどうでしょう? 60歳で歯科矯正をすることは、決して遅くない気がしませんか?
本記事は、60代で歯科矯正をご検討中の方に向けた内容となっています。治療自体の可・不可だけでなく、60代で歯科矯正をするメリットや注意するポイント、お勧めの矯正方法なども併せてご紹介していきます。
60代でも歯科矯正はできる?

冒頭でも触れましたが、当院で治療した患者さまの最高齢は64歳※です。若年層と比べると歯並びの矯正に注意点やリスクが多いことは否めませんが、「60代の歯科矯正は可能?」という問いの答えは、「可能です」と言うことになります。
治療できるかどうかの判断基準となるのは、「お口の中が健康かどうか」ということ。重度の歯周病を患っていたり、複数本の歯が無かったりする場合は、例え20代であっても治療できない可能性が高くなります。
口内の疾患は年齢とともに発生率が高くなります。治療の可否は専門医の判断が必要となるため、現在60歳を超えていて治療を検討されている方は、できるだけ早く歯科医師にご相談されることをお勧めします。
60代で歯科矯正する人の割合は?

歯科矯正患者の総数からすれば、60代で治療する人の割合は決して多くありません。しかし矯正治療の専門医としては、ぜひ60代の方にも歯の矯正をお勧めします。その理由については下記にまとめてありますので、ぜひご覧ください。
下記は、年代別の歯科矯正患者数の推移です。厚生労働省が2017年(平成29年)と2020年(令和2年)に発表した「患者調査」を元に、当社が独自にグラフ化しました。
〇歯科矯正の年代別患者数の推移(2017年・2020年)
患者調査|厚生労働省
患者調査 平成29年患者調査(年齢階級と歯科分類を抜粋)|e-Star(政府の統計窓口)
患者調査 令和2年患者調査(年齢階級と歯科分類を抜粋)|e-Star(政府の統計窓口)
- 全年代:7,200人 → 15,600人(217%増)
- 60代:400人 → 400人(増加無し)

柏先生
全年代において、50代と60代だけは増加傾向にありません。ですが、注視して欲しいのは50代よりも60代の患者数が多い点です。
きっと「これからの人生のQOL(クオリティ・オブ・ライフ=生活の質)を向上させたい」という思いが強いのでしょう。実際に当院で治療した60代の方からもお喜びの声をいただき、私自身とてもうれしかった覚えがあります。
続いて全年代の初診数の推移を見てみましょう。参考資料は上記と同様、厚生労働省の「患者調査」です。
〇1日あたりの歯科矯正・初診患者数の推移(2017年・2020年)
患者調査|厚生労働省
患者調査 平成29年患者調査(年齢階級と歯科分類を抜粋)|e-Star(政府の統計窓口)
患者調査 令和2年患者調査(年齢階級と歯科分類を抜粋)|e-Star(政府の統計窓口)
- 総数:800人 → 2,900人(363%増)
- 男性:300人 → 500人(167%増)
- 女性:500人 → 2,400人(480%増)

柏先生
性別を問わず、歯科矯正を始める方が増加傾向にあるのが分かります。特に女性の伸び率は480%と、爆発的と言っても過言ではありません。
患者調査
厚生労働省が主体となって3年に1度実施される、医療施設を利用する患者についてその傷病の状況などの実態を明らかにする目的で行われる調査。
2020年~2022年頃まで、歯科矯正する患者さまは増加の一途を辿りました。理由はcovid-19(新型コロナウイルス感染症)の蔓延によりマスクの着用が日常化し、口もとを隠す生活が当たり前になったからです。
本記事で参考にした厚生労働省の統計は2017年と2020年のものなので、次回の調査ではより多くの患者数増加が報告されるかもしれません。
60代の方に歯科矯正をお勧めする理由

歯科矯正によるメリットは数多くありますが、特に60代の方にお勧めする理由は、以下の6つです。
虫歯や歯周病予防につながるため歯の健康を保つことができる
歯並びが整うと歯磨きがしやすくなり、磨き残しを少なくすることができます。その結果、虫歯や歯周病の予防につながります。
虫歯と歯列の関係
虫歯の原因は3つあります。ひとつはミュータンス菌、もうひとつは糖質、最後に歯の質です。歯の質は個人差があるので割愛しますが、いわば「虫歯になりやすい人」のことです。
ミュースタン菌は大きさが1/1000mmほどの細菌で、いわゆる「虫歯菌」のこと。食べ物に含まれる糖質と結びつくことで「デキストラン」という物質を作り出します。これが歯垢(プラーク)です。
口内のプラークを取り除かずに放っておくと、内部でさらに菌が増殖して酸を発生させます。この酸が歯を溶かすことが虫歯です。
噛み合わせが悪かったり歯が不揃いだったりすると、歯ブラシが届きづらい箇所が出てきます。ここに食べカスが溜まると菌が増殖して酸を作り、結果として虫歯になってしまうということです。
整った歯並びはブラッシングがしやすく磨き残しが少なくなるため、結果として虫歯の予防につながります。
歯周病と歯列の関係
歯周病は口内が細菌に感染することで引き起こされるもので、重症化すると歯を支える骨が溶けてしまう恐ろしい病気です。原因は虫歯と同様に細菌が主ですが、噛み合わせが悪いと歯周病の症状を促進させてしまう可能性があります。
それが「咬合性外傷(こうごうせいがいしょう)」。歯に加わる力によって、歯を支える歯茎や骨が損傷を受ける疾患のことです。
噛み合わせが悪いと、歯の余計な箇所に強い力がかかってしまいます。過剰な噛み合わせの力は歯を支える組織を壊してしまう要因となるため、結果として歯周病を促進させてしまうという訳です。
口内に菌が繁殖する理由は、やはり食べカスなどのプラークによるもの。しっかりとした歯磨きができるようになることで、歯科矯正は歯周病予防にもつながることになります。
咀嚼機能の向上により食べ物の消化吸収がよくなる
歯科矯正をすると、歯の噛み合わせ部分が均一に接触するようになるため、食べ物を咀嚼する機能が向上します。口の中で食べ物を十分に細かくすることができるようになるため、胃腸にかかる負担を軽減することが可能です。
反対に、十分に咀嚼がされないまま食べ物が胃に運ばれてしまうと、不快感や胃もたれ、お腹が張ったように感じる腹部膨満感(ふくぶぼうまんかん)などの症状を引き起こす恐れがあります。
胃腸の働きは年とともに衰えていくもの。胃もたれなどにより、高齢になってからは食べたいものを食べられなくなったという話はよく耳にします。
「歯科矯正をすれば脂っこいものも食べられる」という訳ではありませんが、歯科矯正をすると、食事満足度の向上にも期待が持てそうです。
噛み合わせが整うことで体調不良の改善が期待できる
「悪い噛み合わせは体のあらゆる箇所に不調をきたす」という話を耳にしたことがありませんか?
- 顎関節症
- 肩こり・腰痛
- 偏頭痛
- 鼻炎
- 扁桃炎
噛み合わせの不調による疾患としてよく耳にするのは、やはり「顎関節症」でしょうか噛み合わせ異常や無意識に歯を噛み合わせてしまう「ブラキシズム」により、顎部分の関節が痛んだり、大きく口を開けることができなかったりする症状です。不揃いな噛み合わせによって一部分に過剰な咬合力がかかってしまう人は、歯列を整えることで改善の兆しが見られます。
噛み合わせが悪いと体に歪みが生じてしまいます。筋肉に余計な負荷がかかってしまったり、血流が悪くなったりしてしまうため、結果として肩こりや腰痛、偏頭痛などを引き起こす原因となります。歯科矯正により噛み合わせを整えること、延いては体全体のバランスが整うことにより、症状を緩和させる効果が期待できます。
鼻炎や扁桃炎は「出っ歯」や「受け口」の人に多く見られる症状です。唇が閉めづらい「口唇閉鎖(こうしんへいさ)」、俗称「ポカン口」になってしまい、口呼吸になってしまうことが要因のひとつとして数えられています。「出っ歯」や「受け口」など、歯の突出した部分を矯正治療することで、常に口が開いている状態を改善することができます。

柏先生
悪い噛み合わせは、口の中だけでなく全身に影響をおよぼします。もちろん体調不良のすべてが解決するわけではありませんが、効果を期待できる実例と根拠があることは確かです。
認知症のリスクが下がり健康寿命が延びる可能性がある
60歳を過ぎたら決して他人ごととして考えられない認知症。その患者数は増加の一途を辿っていて、2025年は何と65歳以上の5人に1人※が認知症になると見込まれています。
※ 参考:認知症施策推進総合戦略(新オレンジプラン)|厚生労働省
ものを噛むことが脳への刺激につながることは、多くの方がご存知のことでしょう。近年では特に奥歯の噛み合わせとアルツハイマーの関係が示唆されていて、奥歯でものが噛めなくなると、アルツハイマーの発症リスクが34%~54%高くなるという研究結果さえ出ています。
※ 参考:鮎川保則教授らの研究が西日本新聞に掲載されました|九州大学 歯学研究院・歯学府・歯学部
美しい歯並びを手に入れることができるから
ご高齢の方は「歯の健康」を重視される方が多いかもしれませんが、「美しい歯並びや「整った口元」を手に入れることができることは、歯科矯正の大きなメリットです。
「60歳を過ぎて自身の見た目を気にすることが恥ずかしい…」などと言うことはありません。現在の60代はひと昔前と比べ、驚くほど若々しい方が増えています。口もとにコンプレックスを抱えている方の場合、精神衛生的にもよりよい効果を見込むことができるでしょう。
人前で笑顔を見せることをためらわなくなったり、積極的に人と接したりできる未来が待っているかもしれません。
齢を重ねるごとに歯科矯正ができなくなる可能性が高くなるため
結論としては、「歯周病などにより口内の健康が失われ、歯科矯正ができなくなってしまう前に、治療をお勧めします」と言うことです。
身心の健康と同様に、歯や歯ぐきの健康も歳を取るにつれて損なわれていきます。年齢による明確な境があるわけではありませんが、60代の8割以上が歯を失ってしまっているようです。
下記は、永久歯が無い人の年代別グラフです。
〇年齢別の喪失歯の状況
参考資料に従って年代を区分しているため、明確に「〇〇代」として区切っておりませんが、年齢と共に歯が無い人の割合が増えていることが分かります。
1本でも歯を失うと歯科矯正ができなくなるわけではありませんが、隣接する歯を失っていたり、複数の喪失歯があったりすると、矯正治療自体が難しくなってしまいます。
〇6mm以上の歯周ポケットがある人の割合
上記は、6mm以上の歯周ポケットがある人の割合。「重度の歯周病を有する人の割合」と読み替えていただいて構いません。
歯周ポケットは3mm~4mmが軽度、4mm~5mmが中度、6mm以上は重度です。重度の歯周病を患っている場合、症状を悪化させたり歯が抜けてしまう恐れがあったりするので、歯科矯正ができなくなってしまいます。
グラフの通り、60代は約3割の方が重度の歯周病を患っています。そして、歳を重ねるごとにその割合は増えていきます。
重複になりますが、歯科矯正に年齢の制限はありません。歯科矯正に対して前向きな考えを持っている60代の方は、少しでも早い内に治療のご相談に行かれることをお勧めします。
60代の歯科矯正で注意するポイント

60代の方に歯科矯正をお勧めする理由がたくさんあることはご理解いただけたと思います。
続いては、60代で矯正治療を受けるにあたり注意してほしいポイントをご紹介します。
歯や顎の骨が固いため、痛みが強く治療期間が長くなる可能性がある
成長期の子供や20代~30代の若者と比べ、60代の歯科矯正は痛みが強く、かつ治療期間が長い傾向にあります。
若い頃は歯や骨の代謝がよいため、弱い力で歯が動くため痛みが少なくて済みます。かつ、骨や歯が柔らかいために歯の移動スピードが速く、短い期間で治療を終えることができます。
20歳を超えたあたりから、歯や骨は緩やかに固くなっていきます。結果として大人の歯科矯正は、痛みが強く治療期間が長くなる可能性があります。
つまり、「60代の歯科矯正が痛くて治療期間が長い」というよりは、「子供の歯科矯正は痛みが少なく治療期間も短い」が正しいニュアンスです。
治療期間は大差ありませんが、痛みについては矯正方法によって変わってきます。下記に矯正方法ごとの特徴をまとめてありますので、ぜひ参考にしてみてください。
口の中の健康が損なわれている可能性がある
本記事内にある「60代の人に歯科矯正をお勧めする理由」のひとつとして、「齢を重ねるごとに口内の健康が失われてしまうので、歯科矯正ができなくなってしまう前に治療を開始することをお勧めします」という内容を掲載しました。
グラフにもある通り、60代は1本以上の歯を失っている方が81.5%、6mm以上の歯周ポケットがある(重度の歯周病を患っている)人が28.9%となっていて、すでに口内の健康状態が悪い方が少なくありません。
重度の歯周病を患っていたり喪失歯の本数が多かったりすると、矯正治療自体ができない可能性があります。
また、治療ができたとしても「歯肉退縮」、「歯根吸収」、「ブラックトライアングル」などのリスクが、若い方よりも高くなる傾向があります。
歯肉退縮

歯の周りの歯肉(歯ぐき)が減り、本来ならば歯ぐきで隠れいているはずの歯根が露出してしまった状態です。
歯科矯正により歯肉退縮になってしまう、または症状が進行してしまう場合、歯を移動させるために無理な矯正力をかけ過ぎてしまうことが原因です。
予防法としては、歯ぐきの健康を保つことです。正しいブラッシングを心がけたり、タンパク質やビタミンCを積極的に摂取する、血流をよくするために適度な運動をするなどが挙げられます。
また、やせ細ってしまった歯ぐきを自然に復活させる方法はありません。重症ともなれば歯肉移植や組織再生療法が必要となります。
歯根吸収

歯の根っこ部分が溶けて無くなったり、短くなったりしてしまった状態を指します。
歯科矯正は、歯が傾いたり戻ったりを繰り返す「ジグリング」によって歯を移動させます。矯正する力が強すぎたり、治療期間が長かったりすると歯根吸収が促進され、歯根が無くなったり短くなったりしてしまいます。
歯根吸収は予防も治療も難しいため、歯科矯正を始める初期段階のレントゲンなどによる矯正医の判断が重要となります。
ブラックトライアングル

歯と歯の間、そして歯ぐきの間に三角形のすき間ができてしまう状態を指します。発生するケースの多くは、下の前歯部分となります。
主な原因は歯ぐきが下がってしまうこと。加齢や歯周病などにより起こることもありますが、歯科矯正治療によってブラックトライアングルができてしまうこともあります。
理由は2つあります。
ひとつは歯科矯正により歯ぐきの腫れが引くためです。歯並びが悪いときは、歯磨きで十分にプラークを落としきれず、常に歯ぐきが炎症していることがあります。
歯科矯正をして歯並びがよくなると、歯に付いた汚れが落としやすくなり、歯ぐきが健康的に引き締まります。すると、引き締まった分だけ歯ぐきのボリュームが無くなり、結果として歯ぐきが下がってブラックトライアングルができてしまうというわけです。
もうひとつは、歯槽骨(しそうこつ)が不十分な箇所に歯を移動させるためです。
特に叢生などの不揃いな歯並びに多い例ですが、歯が重なって生えている部分には、十分な歯槽骨が無いことがあります。
歯並びを整えるためには、歯槽骨が少ない部分にも歯を移動させなければいけないことがあり、結果として歯ぐきが下がってブラックトライアングルができてしまいます。
上述した3つの口内疾患は、治療中もしくは治療後に発覚するケースが多いため、事前の精密検査や矯正医の判断が非常に重要となります。
歯科矯正を検討している50代の方で、お口の中の健康状態に自信が持てない方は、治療前に医師とよく相談されることをお勧めいたします。
歯槽骨
歯の根が収まる顎骨の穴を構成する骨のこと

柏先生
齢を重ねるに連れて歯が動きづらくなってきたり、歯周病のリスクが高まったりしますので、いずれにしても60代で歯科矯正をご検討中の方は、お早目のご相談をお勧めいたします。
矯正方法ごとの比較 – 特徴・費用・治療期間

続いては矯正方法ごとにそれぞれの特徴や費用、治療期間を比較していきます。
当院はインビザライン矯正の専門医院なので、推奨する矯正方法はインビザラインになりますが、「何故インビザラインがお勧めなのか?」という理由をご理解いただけると思います。
矯正方法 | 見た目 | 痛み | 費用 | 症例による治療の可・不可 | 治療期間 | 1日の装着時間 | 取り外し方法 | 歯磨き | 虫歯のリスク | 会話 | 通院頻度 | 金属アレルギー | ||
部分矯正 | 全顎矯正 | 部分矯正 | 全顎矯正 | |||||||||||
インビザライン (マウスピース矯正) ![]() | 目立ちにくい | ほとんど痛まない | 30~60万円 | 80~100万円 | ほとんどの症例が治療可能 | 3カ月~1年 | 1~3年 | 20~22時間 | 自分で取り外しが可能 | 装置を取り外して通常の歯磨きが可能 | 低い | 違和感なし | 1~3カ月に1度 | アレルギーなし |
ワイヤー矯正 (表側・金属) ![]() | 金属が目立つ | 締め付けるような痛みあり | 20~60万円 | 70~90万円 | ほとんどの症例が治療可能 | 3カ月~1年 | 1~3年 | 24時間 | 自分での取り外しは不可 | 専用の歯ブラシが必要 | 高い | 多少の違和感を覚える | 1カ月に1度 | アレルギーあり |
ワイヤー矯正 (表側・審美) ![]() | 金属ほどでは無いが目立つ | 締め付けるような痛みあり | 25~65万円 | 80~100万円 | ほとんどの症例が治療可能 | 3カ月~1年 | 1~3年 | 24時間 | 自分での取り外しは不可 | 専用の歯ブラシが必要 | 高い | 多少の違和感を覚える | 1カ月に1度 | アレルギーなし |
ワイヤー矯正 (裏側) ![]() | 目立ちにくい | 締め付けるような痛みあり | 40~75万円 | 90~150万円 | 対応できない症例がある | 3カ月~1年 | 1~3年 | 24時間 | 自分での取り外しは不可 | 専用の歯ブラシが必要 | 高い | 違和感が強い | 1カ月に1度 | アレルギーあり |
ワイヤー矯正 (ハーフリンガル) ![]() | 下の歯のみ金属が目立つ | 締め付けるような痛みあり | 30~70万円 | 80~130万円 | 対応できない症例がある | 3カ月~1年 | 1~3年 | 24時間 | 自分での取り外しは不可 | 専用の歯ブラシが必要 | 高い | 多少の違和感を覚える | 1カ月に1度 | アレルギーあり |
あえてインビザラインが劣っている箇所を挙げるとすれば、費用の部分でしょうか。上記3つの中では、ワイヤー矯正(表側)が最安値となっています。
よく「インビザラインは治療できる症例に限りがある」という話を聞きますが、全くの誤解です。基本的にワイヤー矯正で治療可能な症例は、インビザラインでも対応が可能です。

柏先生
「インビザラインは治療できる症例に限りがある」説が出回った背景には、ドクターのクリンチェック(治療計画)に不足があるためと考えられます。
インビザラインにおいて、クリンチェックは生命線です。この良し悪しで治療の成功・失敗が決まると言っても過言ではありません。
歯科矯正経験の乏しいドクターが精度の低いクリンチェックを作成し、治療に失敗してしまうから、「インビザラインは治療できる症例に限りがある」などの誤った話が出回ってしまったのです。
当院でどのようにクリンチェックを行っているかは、それぞれの医院サイトをご参照ください。
歯科矯正の専門医が推奨する「インビザライン」

インビザラインは、1997年にアメリカの「アライン・テクノロジー社」によって開発された歯科矯正装置です。透明なマウスピース型の器具を用いるため、従来のワイヤー矯正のように口もとが目立つことはありません。その上、痛みが少ないことも特筆すべきメリットのひとつです。
2002年に「インビザライン・ジャパン株式会社 (Invisalign Japan, Inc.)」が設立され、2006年にインビザラインの正式販売が始まりました。現在※では、世界120カ国以上で1,400万人に選ばれる、世界シェアNo.01のマウスピース矯正となっています。
※ 2024年6月現在
今では、歯科矯正の方法にインビザライン以外を選ぶ理由が無くなってきたと言っても過言ではありません。
当院のインビザライン治療については、下記ページに詳細を掲載してあります。ご興味のある方は、ぜひご覧ください。
インビザライン矯正|dental health care 矯正歯科 浦和
この記事のまとめ

柏 英希
- 60代で歯科矯正をすることは可能
- 60代で歯科矯正をした方がよい理由はたくさんある 詳細はこちら >>
- 60代の歯科矯正で注意する点は、「歯や顎の骨が固いため、痛みが強く治療期間が長くなる可能性がある」ことと「口の中の健康が損なわれている可能性がある」ことの2つ
- 矯正方法はインビザラインがお勧め
現在60代で歯科矯正をご検討中の方は、できるだけ早めに矯正治療を受けられることをお勧めいたします。
当院は千葉県市川市と埼玉県さいたま市にございますので、お近くの方はどうぞお気軽にご相談ください。