
柏 英希
インビザライン矯正をする上で事前に知っておきたい情報を、さまざまな面から網羅的に理解することができます。
ネット上の記事をいくつか読めば、情報の端々を拾い集めることができる現代ですが、核を付く情報にはなかなか辿り着けない…。そんなケースは珍しくありません。
本記事は、インビザラインの専門医が作った「インビザライン治療を受ける方のための完全攻略ガイド」です。
インビザライン矯正をご検討中の方には必見の内容となっておりますので、ぜひご一読ください。
インビザライン治療の失敗例を確認しておこう

万が一に備えて、ここではインビザライン治療の失敗例を確認しておきましょう。
これからインビザライン矯正をしようと考えている皆さんですので、インビザライン治療では失敗するケースがあることを理解しておきましょう。
- 矯正前より歯並び・噛み合わせが悪くなった
- 治療完了後うまく奥歯が噛み合わない
- 治療から一定期間離脱してマウスピースがはまらなくなった
インビザライン矯正は、医師の注意を守り適切な矯正を行えば失敗する確率は極めて低いのですが、稀に失敗してしまうケースも見受けられます。
実は、経験の少ない医師が作成した治療計画ですと、歯に余計な負担がかかってしまったりイメージ通りに最後仕上がらなかったりする可能性があります。
インビザライン矯正で失敗する場合の多くは患者さん自身が気をつけることで防げるものが多いので、ぜひ治療前に失敗のリスクを理解し気をつけながら治療していただきたいです。
インビザライン矯正の失敗についてより詳しく知りたい方は、ぜひ以下の記事をご覧ください。
インビザライン治療はどのくらい痛いのかを知ろう

「矯正治療 = 痛い」というイメージがあると思いますが、インビザライン治療は従来のワイヤー矯正とは異なる治療方法ですので、強い痛みの心配はほとんどありません。
しかし、違和感や多少の痛みが出る可能性は十分にあります。
- ワイヤー矯正ほど強い痛みが出る可能性は極めて低い
- 新しいアライナーに交換する際に痛みや圧迫感を感じる場合あり
- 患者さま自身の配慮次第では痛みを事前に防げる
インビザライン矯正はワイヤー矯正ほどの強い痛みが出る可能性は極めて低く、当院で治療された多くの人は少しの痛みや違和感を覚える程度です。
それは、インビザライン治療はおよそ7日ごとに患者さんが自分でアライナー(マウスピース)を交換し、歯を段階的に少しずつ動かしていく治療方法であるためです。
「少しずつ」というのがどれほどかと言うと、1枚のマウスピースが動かせる歯の距離は0.25mm。つまり、7日に1度アライナーを交換するごとに0.25mmずつ歯を動かしていることになります。
そのため、矯正治療自体による痛みはほとんどなく、痛みが出るのはそれ以外の理由が原因となっていることが多いと言えます。
痛みの原因を詳しく知りたい方や対処法が気になる方は、ぜひ以下の記事をご覧ください。
インビザライン治療の効果はどれくらいあるのか知ろう

ここでは、インビザライン治療にはどれだけの効果があるのかをお伝えします。
ここでの治療の効果とは期間に治療が完了する上に、イメージ通りの歯並びや噛み合わせを手に入れることとします。
- 治療効果を初期段階で感じることは難しい
- 基本的な矯正ルールを守ることが効率的な治療に繋がる
- さらに効率的に効果を出したい人にはオプションあり
はっきり申し上げますと、インビザライン矯正は最終的な段階でしか治療効果を感じていだけない場合もあります。
インビザライン矯正はマウスピースで少しずつ段階的に歯を動かしていく矯正方法なので、途中の段階では思うような歯並び・噛み合わせとはかけ離れた状態になる可能性もあります。
しかし、途中で効果を実感することよりも矯正治療完了後に綺麗な歯並びで歯がしっかり噛み合うことが大切です。
特にインビザライン矯正は微調整が得意な矯正方法なので、矯正治療の最終的な段階で歯をうまく微調節して仕上げていくので最後にピタリと噛み合うことも珍しくありません。
インビザライン治療の効果についてさらに詳しく見ておきたい方は、ぜひ以下の記事をご覧ください。
インビザライン治療の費用を確認しておこう

ここでは、多くの人が治療を敬遠してしまう理由のひとつである「インビザライン治療の費用」についてご紹介します。
「いくらかかるの?」と気になる人が多いと思うので、ぜひしっかりチェックして色々な選択肢があることを理解しておきましょう!
- インビザライン治療に保険が適用されるケースはかなり限定される
- 結果的に安く治療できる制度(医療費控除・高額医療費制度など)がある
- 費用は全体矯正で90万円前後、部分矯正で60万円前後
- 分割払い(デンタルローン・多目的ローン・クレジットカード・医院の分割払い)が可能
矯正治療は他の歯科治療とは異なり、多くの場合が自由診療の範囲で保険の適用外で治療費用が高額になってしまいます。
お金に余裕がある場合は問題ありませんが、「矯正 = 費用が高額」という理由で治療に踏み出せない人が多くいらっしゃいます。
実際に治療が高額になってしまうことは事実ですが、一度に支払わなくて良い分割払いも可能です。
また、結果的にお金が返ってくる制度もあるので、うまく利用すればなるべく安く治療できる可能性もあります。 費用に関しては知っておくと知らないのでは矯正治療へのハードルがかなり違ってくると思いますので、ぜひ以下の記事をご覧になってください。
インビザラインの治療期間を知っておこう

ここでは、費用と同様多くの人が気になっている『インビザラインの治療期間』についてお伝えします。
大体の治療期間を知っておけば、どのタイミングで歯科矯正医院に相談に行けば良いのか検討がつきますよね。
- 平均治療期間は全体矯正で1年6カ月〜2年、部分矯正で1年未満
- 矯正期間中に口内トラブルを併発すると治療期間延長の可能性
インビザライン矯正の大きな強みは、治療開始前にマウスピースを作成する時点で治療期間が決まることです。
その理由は、マウスピースの枚数と治療期間が比例するため。例えば「全体矯正」と「部分矯正」では、マウスピースの枚数が異なるので治療期間が異なるのです。
ルール通りに矯正を行えば大きな口内トラブルが起こらないとは思いますが、万が一トラブルがあった場合やルール通りに矯正を行わなかった場合には治療期間が延長してしまうことがあります。
治療開始の時期に悩んでいる方やインビザライン治療の期間についてより詳しく見ておきたい方は、ぜひ以下の記事を参考にしてください。
インビザライン治療で抜歯が必要な症例を知ろう

ここでは、インビザライン治療で抜歯が必要な症例をみなさんにご紹介します。
昔はインビザライン治療で抜歯を伴う治療ができませんでしたが、近年は技術の進歩によってインビザライン治療でも抜歯を伴う矯正治療が可能になりました。
- スペースを作るには抜歯・IPR・奥歯の後方移動・歯列の側方拡大など
- 抜歯はなるべく避けたいがどうしてもスペースが足りない場合には必要
- 「重度の八重歯・乱杭歯」の治療では抜歯が必要なケースが多い
「抜歯」は歯並びや噛み合わせを治療する際にスペースを作り出すのに非常に有益な方法ではありますが、なるべくならば避けたい方法です。
それは将来的な虫歯や歯周病の可能性を考慮した場合、なるべく健康な歯が多く残っていた方が良いからです。
そのため矯正治療ではIPR・奥歯の後方移動・歯列の側方拡大などで歯列にスペースを作ることを基本としていますが、それでも歯を動かすためのスペースが足りない場合には抜歯が必要になります。
一方で、抜歯をしないと矯正治療ができないケースもあります。
特に、「重度の八重歯・乱杭歯」の場合は、歯列でのスペース不足が著しいので抜歯が必要になる場合が多く見られます。
むやみに抜歯を勧めてくる歯科医院もあるそうなので、患者さん自身も歯科医師に抜歯の必要性をしっかり確認する必要があることを忘れないでください。
このインビザライン矯正での抜歯についてより詳しく知りたい場合には、以下の記事をご覧になってください。
インビザラインで部分矯正を行う際の基礎知識を知っておこう

ここでは、インビザラインで部分矯正を行う場合の基礎知識をご紹介します。
多くの人が『部分矯正』について少し勘違いをしている傾向があるので、この部分はぜひ確認しておいてください。
- 治療できるのは軽度な八重歯・叢生・空隙・ねじれのみ
- 抜歯が必要な場合は全体矯正しなければならない
- 部分矯正を希望する人の多くは全体矯正が必要という事実がある

柏先生
「部分矯正をしたいんですけど…」と相談にいらしてくださる患者さまは大変多いのですが、実はそのほとんどが部分矯正では対応できない症例なんです。
「部分矯正」は「全体矯正」よりも期間が短く費用もかからないのですが、対応できる症例がかなり限られているのが現状です。
「軽度な八重歯・叢生・空隙・ねじれ」のみしか対応できず、一部分だけ治したいと思っている患者さんでも実際のところお口の中を拝見させていただくと歯列全体の問題だったりするわけです。
自分では部分矯正が可能と思っていたのに、医院で難しいと言われてしまうと、患者さまはがっかりされてしまいます。
矯正治療を検討している皆さまには、ぜひ部分矯正で治療できる症例が限られるということを頭に入れておいていただきたいのです。
以下の記事で、インビザライン治療の部分矯正について詳しく解説しているのでぜひご覧になってください。
インビザライン治療のお悩み別でまとめた症例を見ておこう

ここでは、特にご相談が多い「出っ歯」と「八重歯」について、インビザラインで治療した症例をご紹介します。
出っ歯と八重歯はインビザライン単独で治療ができますが、出っ歯の場合はインビザライン単独で治療できない症例もあります。
出っ歯や八重歯の方でインビザライン治療を検討されている方は、まずは自分の症例がインビザライン治療単独で対応できるかどうかを事前にチェックしておきましょう。

柏先生
実際の症例の傾向を掴むことで、自分が治療をする場合のイメージが湧きやすくなりますよ。ぜひご覧ください。
インビザラインで出っ歯を治療した症例
出っ歯には種類がありそれぞれ原因が異なるため、その原因次第ではインビザライン単独で治療できない場合もあります。
- 骨格性の出っ歯:顎骨の位置がずれていることが原因
- 歯槽性の出っ歯:歯が内側や外側に傾斜していることが原因
- 2つが混在した出っ歯:骨の位置がずれている上に歯が傾斜していることが原因
- インビザライン単独で治療できる出っ歯(上顎前突)には条件がある
- 治療可能なのは「歯槽性の上顎前突(出っ歯)」と「軽度の骨格性上顎前突(出っ歯)」
- 出っ歯以外にも併発している問題がある場合、治療ができない可能性がある
「出っ歯」と一言で言っても、インビザラインで治療できる種類なのかどうかが問題になります。
実際この判断は患者さんご自身でされることは極めて困難であり、歯科医院でのレントゲン撮影などを含めて総合的な診察が必要になります。
インビザライン治療のみで治療できない場合には、「外科手術」や「ヘッドギア」を用いた治療が必要になるのでインビザラインほど手軽には始められないかと思います。
そのため出っ歯を矯正しようと検討されている方には、事前に出っ歯には種類がありインビザラインで治療ができないかもしれないということを頭に入れておいて欲しいのです。
詳しくは下記の記事のまとめていますので、ぜひご参考にしてください。
インビザラインで八重歯を治療した症例
日本では可愛らしいイメージがある八重歯ですが、実は歯周病や虫歯になりやすいリスクもあるので矯正した方が良い症例でもあります。
- 八重歯は「全体矯正」と「部分矯正」どちらも対応している
- 八重歯が原因で出っ歯気味になっている場合は合わせて治療可能
- 重度の八重歯の場合は抜歯が必要になる場合がある

柏先生
当院には八重歯を治療したいという患者さまが多くご来院くださり、実際にインビザラインで治療をした実績が多くあります。
八重歯は「部分矯正」でも対応できるのですが、「部分矯正」で対応できる症例は軽度な症例のみなので実際は「全体矯正」で治療される方が多いです。
八重歯があることで歯が重なって生えている部分ができてしまうので、そこにプラークがたまり虫歯や歯周病になってしまうリスクがあります。
一見あまり悪い印象が無い八重歯は、わざわざお金と時間と手間をかけて治療するほどではないと考える方が多いかもしれません。
しかし、だからこそ日常生活に支障をきたすことなく八重歯の矯正ができる、インビザラインがお勧めなのです。
八重歯にお悩みでインビザライン治療と八重歯についてさらに理解を深めておきたい方は、ぜひ以下の記事をご覧ください。
改めてインビザラインのメリット・デメリットを確認しておこう

最後に、インビザライン治療のメリットとデメリットを整理しておきましょう。
- ワイヤー矯正とは異なり、治療中の日常生活への制限がほとんどない
- 治療計画作成の時点で期間・費用・歯の動きを確認できる
- トラブルなくマウスピースを装着していれば、無事に治療が完了する
- 通院の手間が少ない分、自己管理を徹底して矯正を進めなくてはならない
- 医師や医院によって治療の質に差が出る
- 飲食の際は取り外しが必須で、装着前に入念な歯磨きが必要
実際、インビザライン治療にはメリットもあればデメリットもあります。しかし、患者さまがルール通りに矯正を行えば、高い確率で期間内に治療が完了する非常に魅力的な矯正治療法です。
治療期間中でも日常生活に大きな支障がないことも、かなり大きなメリットと言えます。
現在この記事をご覧になっている方には、インビザライン矯正を前向きに検討されている方が多いと思いますが、ワイヤー矯正も視野に入れている方もいらっしゃると思います。
以下の記事ではインビザラインとワイヤー矯正のメリット・デメリットを比較した表がご覧いただけますので、ぜひ参考にしてみてください。
この記事のまとめ

柏 英希
- インビザラインの失敗は医師の注意を守らないために起こることが多い
- ワイヤー矯正と比べてインビザラインは痛みの少ない矯正治療法
- インビザラインは少しづつ歯を動かす方法なので、治療途中に効果を感じられない場合もある
- インビザライン矯正の費用は部分矯正で60万円、全顎矯正で90万円ほどと高額だが、基本的には分割払いが可能
- インビザラインの治療期間は、平均すると部分矯正が1年未満、全顎矯正が1年6カ月〜2年ほど
- インビザライン矯正では抜歯をすることがある
- インビザラインで部分矯正できる症例は少ない
この記事をきっかけに、ひとりでも多くの方がインビザライン治療へ踏み出していただけることを願っています。
当院ではインビザライン治療に関する様々な相談や質問をオンラインでも受け付けておりますので、お気軽にご連絡ください。