古谷さんのようにインビザライン矯正の治療にどれくらい期間がかかるのか知りたい患者さんってとても多いんですよ。
やっぱり皆さんできることなら矯正期間をなるべく短くしたいというのが本音ですよね。
この記事ではまず、インビザライン矯正の平均治療期間は施術方法によって決められることを説明します。
さらに、これからインビザライン矯正をする人に向けて、インビザライン矯正で治療が短くなる方法やインビザライン矯正で治療が伸びてしまう理由も解説しますので、治療期間を知りたい人は必見ですよ。
では、早速みていきましょう!
Contents
インビザライン矯正の治療期間の平均
この章では、インビザライン矯正に必要な治療期間の平均を解説します。
- 全体矯正:2年〜2年半
- 部分矯正:1年未満
マウスピースを用いた矯正方法 『インビザライン』での全体矯正に必要な治療期間の平均は2年〜2年半、部分矯正であれば1年未満です。
インビザライン矯正の期間は、動かしたい歯の本数・歯の移動距離・歯の幅・抜歯の有無などによって決まるため、『全体矯正』と『部分矯正』では平均治療期間が大きく異なります。
全体矯正であっても部分矯正であっても、インビザライン矯正のマウスピース1枚で動かせる歯の距離は最大0.25mmで、1ヶ月で動かせる距離は最大1mmほどになります。
多くの人がなるべく短い期間で治療が完了する部分矯正を希望されるのですが、インビザラインで矯正治療をするほとんどのケースが全体矯正が必要なケースとなり、2年〜2年半ほどかかるのが一般的です。
多くの場合は最初の1年半で大まかに歯列を整え、その後半年で微調整していきます。
インビザラインの部分矯正は歯を大きく動かす必要のないものが対象で、歯列や咬み合わせの治療が1年未満と比較的短期間で完了します。
しかし、実際に部分矯正で治療できるケースはかなり限られており、多くの人が全体矯正で2年〜2年半の期間が必要になることは頭に入れておきましょう。
インビザライン矯正で治療期間が短くなる方法
この章ではインビザライン矯正で治療期間が短くなる方法をご紹介します。
前の章ではインビザライン矯正をする多くの人が2年〜2年半ほどの治療期間が必要になることをお伝えしましたが、なるべく短い期間で矯正治療をしたい人は以下のことをチェックしておきましょう!
- 部分矯正の可能性を検討
- 組み合わせ治療を選択
- 加速矯正装置を併用
- iTero(口腔内スキャナ)導入の医院を選択
では、詳しく解説していきます。
部分矯正の可能性を検討
インビザライン矯正で治療期間が短くなる方法の一つに、部分矯正の可能性を検討することがあります。
全体矯正と部分矯正では治療期間・費用に大きな差があり、なるべく安くて早く終わる部分矯正での治療を選択したい人が多いと思います。
矯正歯科医が全体矯正を勧めた場合でも、ご自身のケースが部分矯正できない理由を明確に説明してもらってから全体矯正をした方がスッキリしますよ。
インビザラインの部分矯正で対応できる大まかなケースは、以下のような症例です。
- 軽度の八重歯
- 軽度の出っ歯
- 軽度の前歯のねじれ
- 前歯部分の咬み合わせ
部分矯正に関してより詳しく知りたい場合には、『インビザラインの部分矯正に関する全知識を歯科矯正医が徹底解説』をご覧ください。
全体矯正では2年〜2年半かかる場合でも、部分矯正で対応できたとすると期間がぐっと縮まり1年未満で治療が完了する可能性があります!
なるべく短期間での矯正治療を終わらせたいという人は、ぜひ担当の矯正歯科医に相談してみてくださいね。
組み合わせ治療を選択
インビザライン矯正で治療期間が短くなる方法の一つに、組み合わせ治療を選択することがあります。
組み合わせ治療とはインビザラインと他の矯正方法を組み合わせることで、より効率的に治療を進められる可能性があります。
- インビザライン矯正:歯列の微調節・咬み合わせの微調節が得意
- ワイヤー矯正:歯を早く動かすことが得意
組み合わせ治療ではそれぞれの特徴を生かして、初期段階で歯並びを整えるためにはワイヤー矯正を用い、その後細かな歯並び・咬み合わせの調節にインビザライン矯正を用いるのです。
また、インビザライン矯正をしながらワイヤーで部分矯正を並行して行うパターンもあり、歯の裏側にワイヤー矯正をすれば目立つこともなく、より治療を効率的に行えます。
加速矯正装置を併用
インビザライン矯正で治療期間が短くなる方法の一つに、加速矯正装置を併用することがあります。
加速矯正装置とは矯正の効果を早めるために併用して使用する装置のことで、以下のようなタイプがあります。
- 光加速矯正装置
- 振動型加速矯正装置
日本で一般的に用いられているのは光加速矯正装置『OrthoPulse®(オーソパルス)』で、歯の移動に必要な期間を最大で66%の短縮を実現しました。
『OrthoPulse®(オーソパルス)』は弱い光を出す装置を1日10分間くわえるだけで、通常2週間ほどで交換するマウスピースを3〜5日で交換できるようになります。
2年〜3年程度かかるインビザライン矯正治療が最短で8ヶ月〜1年で終わる可能性がある加速装置なのです。
弱い近赤外線を歯の周辺の組織に当てる事で細胞内のミトコンドリアに働きかけ細胞を活発にし骨のリモデリングを促進すると共に、歯周組織の細胞を活性化させ血管拡張を促し矯正中の痛みを和らげてくれます。
また、専用のスマホアプリで自動的に治療記録が反映されることで、医師と患者双方が治療経過を視覚的に追うことが出来る点も様々な歯科医院で導入されている理由の一つです。
しかし、2020年に入ってから『OrthoPulse®(オーソパルス)』の開発会社は新製品開発に注力するために、日本への新規の販売は中止しています。
すでに使用している人へのサポートは引き続き行なっていますが、残念ながら新しく機器を使用することはできない状態です。
早く同様の新製品を開発して日本にも届けて欲しいですね。
iTero(口腔内スキャナ)導入の医院を選択
インビザライン矯正で治療期間が短くなる方法の一つに、iTero(口腔内スキャナ)導入の医院を選択することがあります。
多くの矯正歯科医院では導入されていることかと思いますが、従来のやり方で型取りをしている医院でインビザライン矯正を始める場合は時間をロスする可能性があります。
- 世界で最新鋭の3Dスキャニング装置
- 口腔内をコンピューターに取り込むことが可能
- デジタルスキャニングによって精密な歯型データの取得
- PC内で治療計画・シュミレーションが可能
- データを直接アメリカ工場へ送信し、従来かかっていた空輸時間を短縮
- 従来のシリコン素材の歯型取りの不快感が軽減
iTero(口腔内スキャナ)を導入している矯正歯科医院を選ぶことで、よりスムーズなインビザライン矯正を始められるのです。
さらに、コンピューターで様々なシチュエーションの治療期間を事前にチェックできるので、安心感があります。
インビザライン矯正で治療期間が短くなる方法をご覧いただき、いかがでしたか?
インビザラインの全体矯正をしたら2年〜2年半ほどかかってしまう場合でも、ここでご紹介した方法を検討いただければその期間が短くなる可能性があることはお分りいただけたはずです。
しかし、実際にインビザライン矯正をした人の中には、短くなるどころか反対にインビザライン矯正の治療期間が伸びてしまうケースもあります。
次の章ではインビザライン矯正の治療期間が伸びてしまう理由を解説していきますので、これから矯正を始める人だけでなく今まさに矯正中の人もチェックしておけば安心ですよ!
インビザライン矯正の治療期間が伸びてしまう理由
この章では、インビザライン矯正の治療期間が伸びてしまう理由を解説いたします。
インビザラインの矯正治療が予定通りに完了せず治療期間を更に延長して歯列や咬み合わせを矯正しなければならない理由は、以下の通りです。
- マウスピースの装着時間が短い
- 口内トラブルを併発
- 奥歯が噛み合わない
- 仕上がりに納得できない
では、一つ目から見ていきましょう。
マウスピースの装着時間が短い
インビザライン矯正の治療期間が伸びてしまう理由の一つとして、マウスピースの装着時間が短いことがあります。
インビザライン矯正では推奨されているように1日20時間以上マウスピースを装着しないと、歯が思うように動かない場合があります。
装着時間が短いことで次のマウスピースへ交換した際に痛みや違和感が強くでる場合があり、その場合はスケジュール通りに矯正を進めることが難しくなります。
痛みがある場合は一つ前のマウスピースをさらに数日装着してから次のマウスピースへ交換することになるので、本来治療が完了するタイミングで治療を終えることができなくなるのです。
口内トラブルの併発
インビザライン矯正の治療期間が伸びてしまう理由の一つとして、口内トラブルの併発があります。
矯正期間中に以下のようなトラブルが発生した際は、『矯正治療と並行して治療を行う』、又は『矯正治療を中断しトラブル対応を優先する』場合があります。
- 虫歯
- 歯周病
- 銀歯の欠損
トラブル対応を優先することになった場合は再び同じマウスピースの型を使用できない場合もあり、改めて型取りをしなければならない場合もあります。
インビザラインは食事や歯磨きの際にマウスピースを外すことができるため、口内ケアがしやすいというメリットがあります。
食事が終わったら歯磨きだけでなく歯間ブラシなどで隈なく口内をケアすると同時に、マウスピースも洗浄することで常に清潔な口内を保てるよう努力すべきです。
矯正中に口内トラブルがあると矯正治療が予定通り終わらないだけでなく、更に大幅に治療期間が伸びてしまう可能性もあるので要注意です。
奥歯が噛み合わない
インビザライン矯正の治療期間が伸びてしまう理由の一つとして、奥歯が噛み合わないことがあげられます。
- マウスピースの装着で奥歯が沈み込んでしまう
- マウスピースと奥歯がずれてしまう
- 前歯が先に当たってしまい奥歯が噛めなくなってしまう
1日20時間以上マウスピースを装着していると、より噛み合わせが深い奥歯には他の歯よりも強い圧力がかかり沈み込んでしまうのです。
また、取り外しの回数が多かったり奥歯の移動量が多かったりするとマウスピースと奥歯がずれやすくなり、結果的に奥歯が噛み合わない状態を作り出す原因になることもあります。
更に、矯正の途中で頻繁に発生するのは奥歯よりも先に上下の前歯が当たってしまう状態で、前歯が先に当たると奥歯を噛むことができない状態になります。
仕上がりに納得できない
インビザライン矯正の治療期間が伸びてしまう理由の一つとして、仕上がりに納得できないことがあげられます。
インビザライン矯正は矯正開始前に事前に歯が動く様子や治療に必要な期間などをコンピューターで確認できるのが大きな特徴です。
実際に3Dのデジタルシミュレーション画像で矯正後の歯列や咬み合わせを確認してから治療を行えますが、時として矯正に失敗して想像とは異なる仕上がりになることもあります。
- 横顔に違和感がある
- 歯列は治ったけど咬みにくい
- 歯並びは治ったけど前歯の突出感がある
矯正後も何らかの問題が残ってしまい追加でマウスピースを作成して矯正治療を続けることになれば、当然ですが予定よりも治療期間が伸びてしまいます。
なるべく失敗を避けて予定期間内に治療を終わらせたい場合は、『インビザラインの失敗例7パターンと失敗を回避する5つの対策』にも目を通しておくと良いでしょう。
インビザライン矯正で治療期間が伸びてしまう理由をご覧いただき、いかがでしたか?
ご自身の問題だけでなく、防ぎようのない理由もあったかと思います。
せっかくこの記事を読んでいただいた人にはそれを仕方ないと割り切るのではなく、常にアンテナを張って自分自身の矯正に問題がないかをチェックして欲しいです。
そうしておくことで「おかしいな・・・」と感じた場合には、すぐに担当の歯科矯正医に相談して問題解決に繋がるかもしれません。
自分自身の矯正に向き合う姿勢次第で、少し問題があっても大きな問題にならず予定通りに矯正が進んでいくこともあるということです!
まとめ
インビザライン矯正の治療期間と治療期間を短くする方法をご覧いただき、いかがでしたか?
全体矯正であれば2年〜2年半、部分矯正であれば1年未満という治療期間が必要になりますが、それを短くできる可能性や更に伸びてしまう可能性があることもお分りいただけたかと思います。
では、この記事をおさらいしていきましょう!
- インビザライン矯正の平均治療期間は全体矯正で2年〜2年半、部分矯正で1年未満
- 他の矯正方法と組み合わせて治療期間短縮も実現可能
- iTeroを導入していない医院ではマウスピース製作に時間がかかる
- 1日20時間の装着は必須
- 矯正期間中に口内トラブルを併発すると治療期間延長の可能性
- インビザラインの弱点として奥歯が噛み合わない問題がある
- 再度型取りからスタートするケースもある
どうせインビザライン矯正をするなら予定通りの期間で治療を完了したいですよね。
歯科矯正を成功させるためには良い矯正医を選ぶだけではなく、患者さん自身の協力もとても大切なんですよ。
これからインビザライン矯正をしようと検討されている人は、ぜひこの記事で紹介したことを意識して矯正してみてくださいね。
インビザライン矯正の治療ってどれくらいの期間が必要なのかな〜?
治療期間をなるべく短くしたいんだけど・・・何か良い策はあるのかなあ。