本記事は、マウスピース矯正の中でも世界的に技術が評価されているインビザラインを千葉で初めて導入したマウスピース専門医院を3院運営している中で得られた知識をまとめたものになります。
古谷さんのようなマウスピース矯正時の痛みに関するお問い合わせも数多く寄せられています。
結論から言うと、マウスピース矯正は歯科矯正治療の中でも痛みが少ない矯正方法です。
しかしマウスピース矯正も痛みがないわけではないので、痛みが発生するのはどんな時なのか、そして何が原因なのかを知っておくことは重要です。
確かに前もって把握しておきたいです!
意欲的で嬉しいです..!
本記事ではマウスピース矯正専門医院という立場から、マウスピース矯正中の痛みの原因と対処法をご紹介していきますね。
Contents
矯正治療の痛みは治療が進んでいる証
まず最初に、矯正治療の痛みは治療が進んでいる証であるということを説明します。
歯は矯正治療によって移動する場合は歯槽骨内で上のような歯根膜の伸び縮みが発生し、この歯根膜が引っ張られたり縮んだりする場合に痛みを伴うのです。
マウスピース矯正はワイヤー矯正よりも矯正方法自体がもたらす痛みの要因が少なく、マウスピース矯正で感じる痛みの多くは『歯が動いている痛み』なのです。
マウスピース矯正で痛みが発生するのは矯正によって歯が動いていることが原因の場合が多いことを説明するために、マウスピース矯正とワイヤー矯正の違いを以下にまとめました。
比較項目 | マウスピース矯正 | ワイヤー矯正 |
方法 | マウスピースを用いて、段階的に歯を動かす | 歯をワイヤーで繋いで、強い強制力をもって歯を動かす |
矯正器具の調整 | およそ2週間ごとに、自分で新しいマウスピースに交換 | 1ヶ月に1度通院して、医師が矯正器具を調整 |
1ヶ月で動かせる歯の距離 | 最大1mm | 最大0.3mm |
痛み |
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治療が進んで歯がしっかり動いているからこそ歯に痛みが出ているということをお分かりいただけましたか?
しかし注意したいのは、『痛みが強い=効果が高い』というわけではないことです。
え?効果が出ているからこその痛みなんですよね?
痛みが強い方が効果が出てそうな感じがするのですが、、
マウスピース矯正の中でも世界的な技術が評価されている『インビザライン』では、小刻みに少しずつ矯正されるようにマウスピースを短い期間で交換していきます。
そのため、痛みが少なくても矯正効果は大きいという結果が得られるわけです。
ワイヤー矯正が一般的で、一番優秀な感じがしていたので、正直意外でした。。
そういう方も多いですよ(笑)
ただ、私がマウスピース矯正(インビザライン)を専門でやってきた理由としては、一番自信を持っておすすめできるからなんですよ。
もし疑問があったらなんでも聞いてください、包み隠さずなんでも答えますよ!
では、マウスピース矯正治療において痛みが発生する原因を細かく見ていきます。
歯が動いているからこその痛みなのか、それともまた別の原因がもたらしている痛みなのかを説明していきます。
マウスピース矯正治療の痛みの原因
この章では、マウスピース矯正治療の痛みの原因を解説します。
先ほどマウスピース矯正で感じる痛みは歯が動いているからこその痛みであるとお伝えしましたが、稀にトラブルによる痛みの可能性もあります。
ここでは、以下の視点から痛みの原因を解説していきます。
- 歯が動いているからこその痛み
- トラブルによる痛み
あらゆる痛みの原因を知っておくことで、痛みが出てしまった場合に焦らず対応できるようになる可能性が高まるの矯正中の人やこれから矯正をしようとしている人は必見です!
歯が動いているからこその痛み
ここでは、歯が動いているからこそ発生する痛みの原因を解説します。
矯正によって歯が移動している最中は歯が不安定な状態になり、不安定な状態の歯に何らかの力が加わることで痛みを感じるのです。
- 食事
- マウスピース着脱の刺激
- 強制力を強めるゴム
これらの場合は矯正治療で効果が出ているからこそ生じている痛みで、自然と消えていく痛みがほとんどなので我慢しても特に問題はありません。
①食事
マウスピース矯正では食事の際マウスピースを外して食事をすることになっており、その際に痛みを感じることがあります。
その原因は、食べ物を噛んだ際に矯正中の不安定な歯に様々な圧力がかかるためです。
特に、下記のような食事をしている場合には痛みが出やすい傾向があります。
- 固いものを噛む
- 矯正前と変わらないスピードで食べる
- 咀嚼が多く必要なものを食べる
②マウスピース着脱の刺激
マウスピース矯正では、マウスピースの着脱の際に歯に刺激が加わり痛みを感じることがあります。
マウスピース矯正では歯にアタッチメントを装着するケースがほとんどで、アタッチメントは歯にかかる圧力を微調整する役割を持っています。
マウスピースを着脱する際に、歯に装着されているアタッチメントに引っかかっると歯に刺激が加わり痛みが生じるのです。
③矯正力を強めるゴム
マウスピース矯正では強制力を強めるゴムを使用した際に、歯にさらに強い強制力がかかり痛みを感じることがあります。
マウスピース矯正治療では、以下のようにゴムを組み合わせてより効率的な治療をする場合があります。
このゴムのおかげで歯をより理想通りに動かすことが可能になりますが、このゴムがそれまでのマウスピースだけとは違う圧力をかけ痛みや違和感を感じることがあるのです。
トラブルによる痛み
ここでは、トラブルによって発生する痛みの原因を解説します。
矯正治療で効果が出ているからこその痛みではなく、何らかのトラブルが原因となって痛みが生じることもあります。
- 歯が動いていない
- 虫歯・歯周病などのトラブル
- 矯正装置の不具合
これらの場合はその原因を取り除かないと痛みが消えないので注意が必要です。
①歯が動いていない
マウスピース矯正で痛みを感じる原因として、歯が動いていない場合があります。
マウスピースの通りに歯が移動していないのにも関わらず、次のマウスピースに交換することで痛みが生じるのです。
理由は以下のようなものが考えられます。
- 装着期間が短い
- 奥までマウスピースがはまっていない
通常1日20〜22時間以上というルール通りに正しくマウスピースを装着していれば問題ありません。
しかし、できていない場合にはマウスピースを交換すると、移動していない歯をさらに遠くへ動かそうとする力が働くので痛みが生じるのです。
②虫歯・歯周病などのトラブル
マウスピース矯正で痛みを感じる原因に、虫歯・歯周病などのトラブルがあります。
矯正を始める前に虫歯・歯周病のチェックをしてから治療を始めるので、矯正開始前には口内トラブルはありません。
しかし、矯正治療の途中で口内ケアを怠ってしまうと、虫歯や歯周病になってしまうことがあります。
マウスピース矯正は食事や歯磨きの際にマウスピースを外せるので、お手入れしやすいのが特徴です。
しかし、そこで口内ケアやマウスピースの洗浄を怠ると虫歯や歯周病を引き起こすリスクがあり痛みの原因になるのです。
③矯正装置の不具合
マウスピース矯正で痛みを感じる原因に、矯正装置の不具合があります。
マウスピースは一つずつ丁寧に作られていますが、時に研磨不足で口内粘膜を傷つけた際に痛みが生じることがあります。
マウスピースが歯茎や頬の内側などの同じ部分に当たり続けると口内炎になってしまう可能性もあり、口内炎になってしまうと痛みが長く続くリスクがあるので注意が必要です。
マウスピース矯正治療の痛みの原因をご覧いただき、いかがでしたか?
矯正で効果が出ているからこそ痛みが生じる場合とトラブルによって痛みが生じる場合があることはお分りいただけましたよね。
矯正で効果があるから生じる痛みは放っておいても問題ありませんが、トラブルがある場合にはそのトラブルに対応しなければ痛みは消えません。
でも皆さんなるべく痛みを感じることなく矯正治療をしたいですよね。
次では、マウスピース矯正治療中に痛みがある場合の対処をご紹介しますので、ぜひ参考にしてみてください。
マウスピース矯正治療中に痛い場合の対処法
この章では、マウスピース矯正治療中に痛いと感じた場合の対処を紹介します。
痛みが出ないように予防することが1番ですが、仮に痛みが出てしまった場合のために対処法を頭に入れておくとさらに安心感があります。
- ひとつ前のマウスピースに戻す
- マウスピースを削る
- 歯や歯茎を優しくマッサージ
- 痛み止めの服用
対処法を知っていることで防げる痛みもあるので、しっかりチェックしてくださいね。
では、見ていきましょう!
痛みが出ないマウスピースに戻す
マウスピース矯正治療中で新しいマウスピースに交換して痛いと感じた場合は、痛みが出ないマウスピースを一定期間装着してみてください。
十分に歯が動いていないのに新しいマウスピースに交換したことで痛みが生じている場合は、痛みを感じる直前に装着していたマウスピースを一定期間装着することで正しく歯が動きます。
- 1日20〜22時間以上装着
- チューイーを使用して奥まではめる
そして、次のマウスピースに交換しても痛みが生じなければそこからまたスケジュール通りに矯正を進めていくことができます。
しかし、一度マウスピースを戻したので治療完了までの期間が伸びてしまうケースが多いので気をつけてください。
マウスピースを削る
マウスピース矯正治療中に歯茎や頬の内側が痛いと感じた場合は、マウスピースを削ることを検討してみてください。
マウスピースが研磨不足で尖っていたり出っ張っていたりする可能性があるので、それを紙やすりで磨くことで改善される可能性があります。
もしマウスピースが同じ歯茎や頬の内側に長時間当たっていた場合、口内炎となり強い痛みを引き起こす可能性もあります。
やり方が分からないという場合は歯科矯正医に相談すれば丁寧に教えてくれるので、相談してみましょう。
歯や歯茎を優しくマッサージ
マウスピース矯正治療中に歯や歯茎に痛み感じる場合は、歯や歯茎を優しくマッサージしてみてください。
強くグイグイとおすのではなく、指の腹や歯ブラシで優しくマッサージすることが重要です。
このマッサージが有効な場合は、以下のような痛みです!
- 歯が締め付けられる痛み
- 歯がしみる痛み
- 歯が浮いているような痛み・違和感
- 歯や歯茎に何かが触れると痛む
お金も手間もかからず痛みを緩和する方法なので、手軽に試してみてください。
あくまでも『優しく』というのがポイントですよ。
痛み止めの服用
マウスピース矯正治療中に痛いと感じた場合は、痛み止めの服用を検討しましょう。
マウスピース矯正では痛み止めが必要なほど痛みが生じることは滅多にありませんが、痛みに弱い人や歯の痛みを全く気にしたくない日には服用しても良いでしょう。
痛み止めはあらゆるタイプの痛みに対応することができる手軽な策ですが、以下のように痛みの原因がトラブルにある場合は問題があります。
- 歯が動いている痛み:問題なし
- トラブルによる痛み:問題あり
通常のマウスピース矯正治療において、歯が動いている痛みで痛み止めが欲しくなるほど痛くなることはあまりありません。
もし、痛すぎて痛み止めを欲している場合には何かトラブルが発生していることを疑いましょう。
歯科矯正医に相談にいくまでの時間で痛みに耐えるために服用するのは大丈夫ですが、日常的に痛み止めを飲みながら矯正することはやめましょう。
マウスピース矯正治療中に痛いと感じた場合の対処をご覧いただき、いかがでしたか?
マウスピース矯正で強い痛みが発生することはあまりありませんが、痛みが出てしまった場合の対処を知っておけばより安心して矯正できますよね。
そして、次で紹介する矯正治療中に痛みが出た際にやってはいけないことも合わせてチェックしておけば、より自信を持って矯正治療に励めるようになりますよ。
矯正治療中に痛みが出た際にやってはいけないこと
痛みが出た場合の対処法をご覧いただきましたが、この章では矯正治療中に痛みが出た際やってはいけないことをご紹介します。
- 勝手にマウスピース着用をやめる
- 市販の痛み止めをむやみに服用
- 余計な刺激を加える
矯正治療中に痛みに耐えられず思わずついやってしまいがちな行動ですが、矯正治療の効果が出にくくなったり痛みがさらに強くなってしまったりする可能性があります。
反対に言えば、これをやらなければあまり痛みを感じずに矯正治療が完了する可能性が高まるということですよ。
では、見ていきましょう!
勝手にマウスピース着用をやめる
矯正治療中に痛みが出た際、勝手にマウスピース着用をやめてはいけません。
その理由は以下の通りです。
- 歯が動いている痛みなら問題ない
- マウスピースを着用しないと歯が後戻りする可能性がある
なるべく早く歯科矯正医院へ相談に行くことが1番ですが、それまでは装着しても痛くないマウスピースを装着し歯が後戻りするのを防いでおきましょう。
矯正治療は進まなくても歯が後戻りしなければ後々の矯正治療がスムーズに進むので、勝手にマウスピースを外すことはやめましょう。
市販の痛み止めをむやみに服用
矯正治療中に痛みが出た際、市販の痛み止めをむやみに服用してはいけません。
矯正治療は人為的に炎症を起こして歯を移動させていますが、頻繁に抗炎症作用の強い痛み止めを服用すると炎症が抑えられて歯が動きにくくなります。
- 抗炎症作用が強い可能性がある
- 胃腸に負担となる
手に入りやすい市販の痛み止めを服用し続けると、矯正治療自体に影響を及ぼしてしまう可能性があるのです。
痛みが気になる人は、歯の移動を阻害せずに痛みを抑えることのできる薬を歯科矯正医院で処方してもらうようにしましょう。
余計な刺激を加える
矯正治療中に痛みが出た際、余計な刺激を加えてはいけません。
- 固いものを噛む
- 冷やす
固いものを噛むことで不安定な歯に余計な圧力がかかり、さらに痛みが増す可能性があります。
食事はなるべく柔らかく、噛むことにあまり力を使わないものを選ぶようにしましょう。
また、ワイヤー矯正の場合使用しているワイヤーの素材によっては、冷やすと強制力が弱まることがあります。
しかしマウスピースはそのような効果が期待できないので、冷やしても意味がないのです。
矯正治療中に痛みが出た際やってはいけないことをご覧いただき、いかがでしたか?
マウスピースを外したり市販の痛み止めを服用したりすることは、歯科矯正医に相談する前にご自身の判断でやってしまいがちな行為ですよね。
矯正治療に高い効果を求めるのであれば、なるべくやらないように気をつけていきましょう。
では、最後にこの記事をまとめます。
まとめ
マウスピース矯正治療での痛みの原因や痛みの対処法をご覧いただき、いかがでしたか?
さらに最後に紹介したやってはいけない行為も頭に入れておけば、不安感なく矯正治療を始められるのではないかと思います。
それでは、この記事をおさらいしていきます。
- マウスピース矯正治療の大半の痛みは治療が進んでいる証拠である
- マウスピースはルールを守って着用することで痛みの少ない矯正治療を実現
- 自己判断でマウスピース着用をストップしない
- 市販の痛み止めをむやみに服用しない方が良い
- 矯正で歯が動いている間は柔らかい食べ物がおすすめ
どうせマウスピース矯正をするなら痛みを感じることなく矯正治療を完了したいですよね。
歯が動く痛みがある場合はなるべく痛みが生じないように過ごせば問題ありませんが、トラブルによる痛みの場合にはなるべく早く歯科矯正医に相談にいきましょう。
マウスピース矯正で痛みがある人ってどうして?痛い時ってどうしたらいいの?これから矯正しようと思っているのに、不安だらけ・・・