マウスピース矯正のメリット・デメリット | ワイヤー矯正との比較表付き

矯正治療で悩む古谷さん

「マウスピース矯正が良いよ」っていう人が多いけど、一体何が良いの?でも、絶対に悪いところもあると思うんだよね。

歯科矯正医 柏先生

古谷さん!その通りです。

実際にマウスピース矯正にはたくさんのメリットがありますが、デメリットもあります。

皆さんに本当に納得した形で矯正治療を開始していただけるようこの記事ではマウスピース矯正の『デメリット』『メリット』を包み隠さずご紹介します。

歯科矯正医として多くの治療実績があるからこそわかることを皆さんにお伝えできればと思っています。

ぜひ、参考にしてみてください。

マウスピース矯正のデメリット

ここではマウスピース矯正の『デメリット』を皆さんにご紹介します。

デメリット
  • ルールを守り正しく治療を進めないと歯が動かない
  • 適応できない症例がある
  • 医師によって治療の質に差がある
歯科矯正医 柏先生

まだまだワイヤー矯正と比べてマウスピース矯正は認知度が低く、デメリットの部分をしっかり理解されている方も少ないと思います。

事前にメリットだけでなくデメリットについても理解しておくことで、歯科医院に行ってから「こんなはずじゃなかった・・・!」という事態になることは避けられます。

しっかり覚える必要は全くありませんが、頭に入れておくことをおすすめします。

ルールを守り正しく治療を進めないと歯が動かない

マウスピース矯正では、ルールを守り正しく治療を進めないと歯が動かないことがデメリットのひとつです。

マウスピース矯正におけるルールは以下の通りです。

  • 1日の装着時間は20時間から22時間以上
  • 約7日ごとにマウスピースを交換する
  • 口内ケアを徹底する
  • マウスピースを装着したまま飲食は不可
  • チューイーを使用してマウスピースを正しくはめる
  • 順番通りにマウスピースを交換していく(勝手にとばしたりしない)
  • マウスピースをなくさずに管理する(飲み会などで外して紛失するケース多々)

 

歯科矯正医 柏先生

私たち歯科矯正医は患者さんがマウスピースをルール通りに装着してくれることを想定して、治療計画を作成しています。

良い治療計画を作成することは勿論ですが、マウスピース矯正では患者さん自身が責任を持って矯正治療を進めていくことも重要です。

装置を自由に取り外しできることは大きな魅力ですが自分で装着時間を厳しく管理できないという人にはあまり向いていないので、注意が必要です。

 

適応できない症例がある

マウスピース矯正は全ての症例に対応できなく、適応できない症例があることもデメリットのひとつです。

▼対応できる例
  • 叢生(歯がでこぼこに並んでいる)
  • 八重歯
  • 空隙歯列(すきっ歯)
  • 開咬(上下前歯の間があいている)
  • 出っ歯(骨格性の重度ではないもの)
  • 反対咬合(受け口)
  • 噛み合わせ

現在のマウスピース矯正は部分矯正・全体矯正のどちらにも対応している上、抜歯を伴う矯正治療にも対応していることから、多くの症例が治療対象になります。

しかし、そのマウスピースでも治療できない症例も存在します。

▼マウスピース矯正で適応できない代表的な例
  • 出っ歯(骨格が大きくずれている)
  • クロスバイト(奥歯のかみ合わせが左右にずれている)
  • 左右非対称(正中が大幅にずれている)
歯科矯正医 柏先生

せっかくマウスピース矯正なら『見た目』が目立つこともないし「良さそう!」と思っても、ご自身の症例が適応できない症例だとわかったらがっかりしますよね。

まずは、ご自身の症例がマウスピース矯正で対応できるものなのかを知っておく必要があります。

ここでも対応できる症例と対応できない症例をご紹介しましたが、実際には治療する歯科矯正医でないと正確な判断はできません。

この記事をみて自分の症例が対応できるものなのか不安になった場合は、当院へお気軽にご相談くださいね。

医師によって治療の質に差がある

マウスピース矯正は、医師によって治療の質に差があることもデメリットの一つです。

歯科矯正医 柏先生
当院が導入しているインビザライン(マウスピース矯正)は『インビザラインドクター』の資格が必要ですが、これは歯科医師であれば誰でもとれる資格とも言えます。

インビザラインドクターの特徴
  • ブロンズ、シルバー、ゴールド、プラチナ、ダイアモンドと症例の数でランクがある
  • 様々なセミナーを受ければ『インビザラインドクター』と名乗れる
セミナー「Step1 導入コース」受講資格
  • 日本国内の歯科医師免許を有する方
  • 5年以上の歯科矯正の経験を有し、かつ、以下のいずれかの要件を満たす方
    ▶国内外の大学にて歯科矯正学を履修された方
    ▶その他施設にて歯科矯正学を履修された方
  • 両日とも参加可能な方
  • ご自身の症例を用いた実習があるため、導入コース受講前までに、1症例目をご準備いただける方
  • 当日はご自身のパソコンにて実習を行っていただくため、パソコンをご持参いただける方
  • インビザライン矯正の最終的な治療計画は医師に委ねられている
  •  

    歯科矯正医 柏先生

    マウスピース矯正を提供している歯科医院の『インビザラインドクター』は全てが同じレベルなのではなく、症例数と比例したランクがあるということを頭に入れておきましょう。

    治療計画は治療の結果を左右する大きな要因の一つですが、インビザライン治療の最終的な治療計画を作成するのはドクターです。

    コンピューターテクノロジーの力を借りる部分はありますが、結局は医師の技術や経験に大きく左右されるということです。

    矯正治療で悩む古谷さん

    なんだか知らなかったらちょっと危なかったかも・・・ということが色々とありました!特に最後のは重要そう。やっぱり経験豊富な先生の方が安心できるということですね。

    歯科矯正医 柏先生

    古谷さん、ご理解いただけたようで安心しました。

    これらのデメリットを知っているのと知らないのでは、矯正前の心持ちが大きく違いますよね。

    では、次ではマウスピース矯正のメリットも存分にご紹介していきます。

    ここで紹介したデメリットを忘れてしまうほどのメリットがあるので、デメリットも頭の片隅に入れながら見ていただけると嬉しいです。

    マウスピース矯正のメリット

    歯科矯正医 柏先生

    さあ、この章ではマウスピース矯正のメリットをみなさんにご紹介していきます!

    ざっと紹介するとこのような感じです。

    • 治療期間や治療後のイメージが事前に確認可能
    • 治療中のトラブルが少ない
    • 取り外し可能な装置で目立たない
    • 異物感・痛みがほとんどない
    • 体に無害なプラスチック
    • 日常生活への制限がない

    では、詳しく見ていきましょう!

    治療期間や治療後のイメージが事前に確認可能

    まず、マウスピース矯正の大きなメリットの一つとして、治療期間や治療後のイメージが事前に確認できることがあげられます。

    歯科矯正医 柏先生

    マウスピース矯正では『治療完了までの期間』『治療中の歯の動き』『治療完了後の歯並び』を把握できるのが魅力です。

    『治療中の歯の動き』『治療完了後の歯並び』は3Dの映像で確認することができ、いくつかの治療パターンを用意して比べることもできます。

    そして、ルール通りにマウスピースを装着すれば問題なく期間通りに矯正治療が終了することがほとんどなので、患者さんは治療へのモチベーションを維持しやすいのです。

    治療中のトラブルが少ない

    マウスピース矯正では治療中のトラブルが少ないこともメリットとしてあげられます!

    まず、ワイヤー矯正で起こりうるトラブルを以下にまとめたので、ご覧ください。

    ワイヤー矯正のトラブル
    • 矯正装置が外れる
      ⇨本来医師しか外せない装置が何らかのトラブルで外れてしまうと、医師が再びつけなくてはいけない
    • ワイヤーが歯茎や頬の内側に当たる
      ⇨粘膜が傷ついて腫れたり痛みが出たりする恐れがある
    • 痛みが強い
      ⇨1ヶ月に1度ワイヤーを調整して矯正力を調整するため、一度に歯にかかる負担が大きい
    • 治療中に虫歯や歯周病になる
      ⇨装置を装着したまま食事や歯磨きをするため、食べカスや歯石がたまりやすい
    歯科矯正医 柏先生

    ワイヤー矯正は予期せぬトラブルが起こりやすいことがおわかりいただけましたか?

    それに比較してマウスピース矯正は予期せぬトラブルはほとんど有りません。

    唯一予期せず起こってしまうトラブルとしてあげられるのが、『マウスピースの研磨不足』で出っ張りが歯茎や頬の内側に当たることです。

    しかし、紙やすりで削ってあげれば特に大きな問題はないので心配いりませんよ。

    マウスピース矯正はしっかり装着時間や口内ケアなどルールを守り過ごせば、治療中にトラブルが起こる可能性が極めて低い矯正方法なのです。

    取り外し可能な装置で目立たない

    マウスピース矯正はワイヤー矯正と違って取り外し可能な装置で、さらに装着していても目立ちにくいのは大きなメリットです!

    ▼こんな人に最適
    • 仕事柄矯正装置が目立って欲しくない
    • デートの時に外しておきたい
    • スポーツの時に外しておきたい
    • 見た目を気にする思春期のお子様
    歯科矯正医 柏先生

    実際に当院で治療されている患者さんも最初は「マウスピース矯正なら目立たなくて良い」といって相談にいらしてくれる場合がほとんどでした。

    お子さんの場合もワイヤー矯正は学校で目立つから嫌だけど、マウスピース矯正ならまだ我慢できるという患者さんが多いです。

    見た目を気にされる人には、つけていることがほとんどわからないマウスピース矯正がぴったりですよね。

    異物感・痛みがほとんどない

    マウスピース矯正はマウスピースの異物感や治療による痛みがほとんどなく、精神的なストレスが少ないのもメリットです。

     

    比較項目 マウスピース矯正 ワイヤー矯正
    違和感
    • 装着し始めは少し息苦しさを感じる
    • 最初のうちは発音しにくい感じが出る
    • ブラケットやワイヤーが口の中に当たる感じが続く
    • 違和感が痛みになることもある
    痛み マウスピース交換時にわずか 装置の調節後数日感続く場合も
    通院頻度 1〜2ヶ月に1度 1ヶ月に1度
    装置の調節 およそ7日ごと(患者自身) 1ヶ月ごと(通院時)

     

    歯科矯正医 柏先生

    治療開始時には少し違和感があり発音のしにくさがあっても徐々に慣れれば特に気にならなくなる人がほとんどです。

    また、歯を段階的に動かしていく矯正方法なので、矯正中に強い痛みは発生しにくいので痛みが苦手な人でも大丈夫ですよ。

    さらに、どうしようもない痛みを感じた場合には最悪自分で外して、歯科医に相談にいくことができます。

    ワイヤー矯正の場合は自分では取り外せないですから、そこが大きな違いですね。

    体に害の少ないプラスチック製

    マウスピース矯正に使用されるマウスピースは体に害の少ないプラスチック製であることもメリットの一つです。

    ▼からだに優しい特徴
    • 金属アレルギーでも問題ない
    • 装置が口の中を傷つけることがほとんどない
      ⇨ワイヤー矯正の場合ワイヤーやブラケットが粘膜を傷つけるリスク有
    • 数日使用したら使い捨てるため虫歯や歯周病のリスクが低い
      ⇨虫歯・歯周病の原因となる食べカスや歯石がたまりにくい
    歯科矯正医 柏先生

    マウスピース矯正は体に優しい矯正方法であるとも言えますね。

    金属アレルギーの人がワイヤー矯正を利用できないことは多くの人が知っていますが、ワイヤーやブラケットで口内炎ができて痛みを伴うケースがあることを知っている人は少ないのではないでしょうか。

    反対に、マウスピース矯正は数日使用したら使い捨てられることについての認知度も低そうです。

    およそ7日間でどんどん新しいマウスピースに交換していくので、衛生面でも安心ですね。

    マウスピース矯正は体に優しい矯正方法で、アレルギーなどを気にせず万人が利用できる方法なのです。

    日常生活への制限がない

    ワイヤー矯正との大きな違いでありマウスピース矯正のメリットなのは、日常生活への制限がないことです。

    【ワイヤー矯正】日常生活の制限
    • ガムやネバネバした食べ物は避ける
    • 固い食べ物は避ける
    • スポーツによってはリスクがあり実施できない場合もある
    歯科矯正医 柏先生

    マウスピース矯正はワイヤー矯正のような制限がほとんどありません。

    食事の際は取り外すことができる上に、外した状態で歯磨きできるので口内ケアがしっかりできるのです。

    しかし、反対に言えばマウスピースを装着したままの食事ができないので、何かを食べる時にはいちいちマウスピースを外さないといけません。

    また、接触スポーツで装置破損の恐れがある場合には取り外して、スポーツが終わったらまた装着すれば良いのです。

    このように考えると、マウスピース矯正では制限される行動がほとんどないので精神的なストレスが少ないように感じませんか?

    活発に動きたいお子さんの矯正にもぴったりの方法なんですよ。

    矯正治療で悩む古谷さん

    やっぱりマウスピース矯正ってたくさんのメリットがあるんですね〜やりたくなっちゃったな〜!

    歯科矯正医 柏先生

    そうですよね。。

    デメリットも有りますが、メリットも多いので矯正をするならマウスピース矯正と考える方が多いようです。

    それでも患者さんによっては「ワイヤー矯正の方が魅力的!」という方もいらっしゃるので、最後にマウスピース矯正とワイヤー矯正の『メリット・デメリット比較表』を見ていきましょう!

    ご自身にはどちらが適しているのかを考えるのに参考にしてみてください。

    マウスピース矯正とワイヤー矯正のメリット・デメリット比較表

    ここでは、マウスピース矯正とワイヤー矯正のメリット・デメリット比較表をみていきます。

    歯科矯正医 柏先生

    両方の『メリット・デメリット比較表』は、自分にはどちらが適しているのかを考える良い判断材料になります。

    これから矯正方法を選ぼうと考えている方は、ぜひ参考にしてみてくださいね。

     

    メリット比較

    マウスピース矯正 ワイヤー矯正
    メリット
    • 治療後のイメージが事前に確認可能
    • 事前に治療期間が分かる
    • 治療中のトラブルが少ない
    • 取り外し可能な装置で目立たない
    • 異物感・痛みがほとんどない
    • 体に害の少ないプラスチック
    • 日常生活への制限がない
    • スポーツへの制限がない
    • 通院が1〜2ヶ月に1度で良い
    • 基本的に全ての症例に対応可能
    • 目立ちにくい審美ブラケットもある
    • 歯を大きく動かす際に適している
    • 着け忘れ・外し忘れがない
    • 通院頻度が高く、常に医師と密なコミュニケーションが取れる
    • 多くの治療症例がある
    • 比較的多くの歯科医院で取り扱っている

    デメリット比較

    マウスピース矯正 ワイヤー矯正
    デメリット
    • 1日20時間から22時間以上の装着が必須
    • 自己管理次第で治療効果に差が出る
    • 飲食の際は取り外し、装着前に歯磨きが必要
    • 適応できない症例がある
    • 医師によって治療の質に差が出る
    • 取り入れていない歯科医院もある
    • 1ヶ月に1度通院する必要がある
    • 強い痛みを伴うことがある
    • 口内を傷つけやすく口内炎のリスクがある
    • スポーツに制限がある
    • 矯正装置が目立ちやすい
    • 矯正装置が外れるリスクもある
    • 出っ歯の人はさらに口元が突出してしまう可能性有り
    • 医師によって治療の質に差が出る
    • 固いものやネバネバしたものは避けなければいけない
    • 歯磨きがしにくいので、虫歯や歯周病のリスクが高まる

     

    歯科矯正医 柏先生

    マウスピース矯正は通院頻度が少ないので手間は少ないのですが、自己管理が求められる部分が多くあります。

    その点、ワイヤー矯正は通院頻度が多く手間はありますが、通院する度に歯科矯正医のチェックを受け相談できるというメリットもあります。

    また、マウスピース矯正は対応できる歯並びが限定されますが、ワイヤー矯正であればほとんどの歯並びに対応しているのもメリットです。

    そして、『治療の質』で言えばどちらの方法も、担当する医師によってかなり差が出てしまうのは事実です。

    その点、『医院・医師選び』というのは非常に重要なステップになるので、これから矯正をしようと考えている方はご注意ください。

    勿論当院でも矯正の相談を受け付けておりますので、ぜひお気軽にご相談ください!

    お待ちしております。

    まとめ

    『マウスピース矯正のメリット・デメリット』や『ワイヤー矯正との比較表』をご覧いただき、いかがでしたか?

    マウスピース矯正にもワイヤー矯正にも良い面・悪い面があり、一概にどちらもおすすめと言えるわけではありません。

    患者さん自身にとって適している方法を選ぶのがもっとも良いということをお分りいただけましたでしょうか。

    それでは、最後にこの記事をまとめます!

    マウスピース矯正のメリット・デメリット要点まとめ
    • マウスピース矯正にはメリット・デメリットの両方がある
    • 通院の手間が少ない分、自己責任で治療を進めなくてはならない
    • 治療の前に治療期間・歯の動き・治療後の歯並びをチェックできる
    • ワイヤー矯正と違って、日常生活への制限がほぼない
    • 医師によって治療の質に差が出るため、医師選びが重要

     

    歯科矯正医 柏先生

    『目立たないからマウスピース矯正』と決めるのではなく、実際のメリット・デメリットを知った上でよく考えて決めるべきです。

    実際にワイヤー矯正にもメリット・デメリットがあるので、この記事で紹介した比較表をもとにご自身に適した矯正方法を探してみてくださいね。


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