巷では出っ歯のマウスピース矯正を否定するデマが出回り、不安になってしまう方もいらっしゃいます。
たまに聞くのは「腕の良い歯科医はマウスピース矯正をしない」という間違いです。
今や『マウスピース矯正』はワイヤー矯正を発展させてきた名歯科医たちもに注目しているほど効果的な矯正方法となっています。
しかし、それだけデマが出回るということは、『マウスピース矯正』を行う歯科医師の技術が悪く、矯正の仕上がりに納得がいかない患者さんは多いということです。
そこで今回は、マウスピース矯正を年間200症例以上をこなしている歯科矯正医が『出っ歯のマウスピース矯正』について様々な視点から徹底的に解説していきます。
- 出っ歯のマウスピース矯正が技術がないと難しいとされる理由
- マウスピースで出っ歯矯正できる仕組み
- 出っ歯矯正に最適なマウスピース矯正について
Contents
出っ歯のマウスピース矯正は技術がないと難しいとされる3つの理由
矯正歯科は、どこの医院で治療しても同じだと思っている方多いのではないでしょうか。
実は『出っ歯のマウスピース矯正』は、歯科矯正医に経験と高い技術が求められるので、経験した症例数が多く、しっかりとヒアリングしてくれる歯科医院で治療する必要があります。
出っ歯のマウスピース矯正は技術がないと難しいとされる理由は以下の3つです。
- 出っ歯の原因を正確に見極める必要があるから
- 噛み合わせも同時に矯正した方が良いから
- 顎関節症の治療にも対応する必要があるから
出っ歯の原因を正確に見極める必要があるから
歯が前に出ていることでお悩みの人の中には、出っ歯の詳しい原因を知らない人も数多くいます。
- 先天的な原因
- 後天的な原因
出っ歯矯正治療は原因を把握してマウスピースを製作しないと、正しい治療効果を期待できません。
先天的な原因である場合には歯の並びを矯正するだけで良いのですが、後天的な原因がある場合は生活習慣や体のくせにまでアプローチする必要があるためです。
最悪の場合にはうまく矯正できず、矯正治療終了後に違和感や噛み合わせの悪さなどが残ってしまう場合もあります。
そのため、歯科医師にはまず出っ歯を矯正する技術を発揮する大前提として、出っ歯の原因を正確に見極める力が必要なのです。
噛み合わせも問題があるケースが多いから
出っ歯である場合の多くは、噛み合わせにも問題があるケースが多いという事実があります。
そのため、出っ歯で矯正治療を希望する人の多くは出っ歯を治す治療に加えて、噛み合わせを治す治療も必要です。
その点、マウスピース矯正の一種「インビザライン」(全体矯正)をするならば、抜歯や歯列拡大などの治療も組み込んだ出っ歯治療が可能です。
そもそも矯正治療本来の目的は以下の2つです。
- 審美的な改善(見た目の問題)
- 噛み合わせの改善(歯本来の役割を取り戻す)
矯正治療本来の効果を求めるのであれば、やはりしっかり経験と技術のある医院を選ぶ方がリスクを減らせますね。
顎関節症の治療にも対応する必要があるから
そして、出っ歯の方の中には、顎関節症を併発しているケースも多く見られ、矯正する場合には同時に顎関節症の治療を進める場合も多いです。
歯科医師は顎関節症の原因を噛み合わせが悪いからと決めつけるのではなく、精神的な原因も含めて正しい診察をする必要があります。
原因を見極め、適切な治療を進めていくためには、決して決めつけることのない経験と技術のある医院を選択する必要があります。
- ストレスや不安からくる顎の筋肉の緊張
- 歯ぎしり
- 頬杖
- 食いしばり
- 噛み方のくせ
- うつぶせ寝の習慣
- 猫背
- PCやスマートフォンの長時間使用
『出っ歯のマウスピース矯正』には、歯科医師の技術が必要な理由が明確に分かりましたね。
患者さんをしっかりと診察せずに決めつけるような矯正治療ではなく、あなたに合った治療計画を考えてくれる治療かどうかで矯正治療の成功は決まってくるわけなんですね。
『出っ歯のマウスピース矯正治療』が、どの医院で治療しても同じ結果にならないことは悲しいですが、事実として知っておいていただけると嬉しいです。
では、次はマウスピースで出っ歯矯正ができる仕組みを解説しますね。
マウスピースで出っ歯矯正ができる仕組み
この章では、マウスピースで出っ歯矯正ができる仕組みを説明します。
以下の3つの視点から、マウスピースを用いて出っ歯矯正ができる仕組みをお伝えしていきますね。
- 出っ歯の原因
- マウスピースなら歯を無理なく動かせる
- 奥歯も一緒に動かせる、噛み合わせも治せる
出っ歯の原因
出っ歯を治療するのにあたり、まずは出っ歯の原因について詳しく知る必要があります。
出っ歯になる人の主な原因は以下の通りです。
- 上顎が前方に出ていることによるもの
- 下顎が後方に下がっていることによるもの
- 上の歯だけが口元の方に出ているもの
しかし、この状態を生み出す根本的な原因があります。
先天的にこのような状態である場合もありますが、後天的な要因で出っ歯になるケースもあります。
歯並びを矯正しても根本的な原因になっている生活習慣や体の癖を治す努力も必要になります。
- 舌癖(下で歯を前におす)
- 噛み合わせの悪さ
- 頬杖
- 歯ぎしり
マウスピースなら歯を無理なく動かせる
マウスピース矯正は痛みや違和感を軽減しながら治療できる特徴があります。
もう一つの矯正方法である「ワイヤー矯正」との違いは以下の通りです。
- ワイヤー矯正
歯をワイヤーで繋いで動かす矯正方法で、多少の痛みと引き換えに歯を同時に動かす - マウスピース矯正
マウスピースをこまめに取り替え、段階的に無理なく歯を動かす
ワイヤー矯正は若干無理にでも歯を動かす矯正方法なので、マウスピース矯正よりも期間が少し短くなります。
しかし、マウスピース矯正なら少しずつ計画的に矯正することが可能で、痛みや違和感を感じることも少ないです。
奥歯も一緒に動かせる、噛み合わせも治せる
マウスピースで全体矯正をすれば奥歯も一緒に動かせる上に、噛み合わせも治せます。
部分矯正のマウスピースは前歯部分にしか対応しておらず、審美的改善の効果しか期待できませんし、前歯の部分矯正だけで治療が完結できる症例も少ないです。
しかし、全体矯正のマウスピースであれば奥歯を動かし、全体の噛み合わせを治すことができますので、ほぼ全ての症例に対して対応することが可能です。
全ての歯を動かすため抜歯を伴う矯正治療にも対応していますが、歯列全体を動かすことができて歯列拡大の治療もできるので抜歯を伴わない矯正治療に最適です!
出っ歯を治すだけでなく、出っ歯を治してその後の噛み合わせまで合わせて矯正できるのがマウスピースの優れた点です。
マウスピースがどれだけ出っ歯矯正に適しているかお分かりいただけましたでしょうか。
しかし、出っ歯の具合や歯並びの状態によってはマウスピースでは矯正できない場合がありますので、まずは歯科医院に相談してみましょう。
出っ歯のマウスピース矯正で利用される主な施術手法
出っ歯のマウスピース矯正で利用される主な施術手法は以下3種類です。
マウスピースならどれも一緒・・・なんてことありません。
以下の表にもあるように、特徴や矯正期間、費用もそれぞれ異なるんです。
この章では、それぞれの方法・価格・期間・メリット・デメリットをまとめてあります。
インビザライン
当院では、マウスピース矯正の中でもインビザラインをおすすめしています。
世界的に一番評価されているマウスピース矯正システムであり、全体矯正と部分矯正の両方に対応しているため、どんな状態の歯並びでもほぼ対応が可能です。
矯正手法 | インビザライン |
方法 | 透明なマウスピースを使って歯全体を矯正する |
価格 | 50万円〜100万円 |
期間 | 6ヶ月〜2年半程度 |
メリット |
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デメリット |
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インビザラインGo
矯正手法 | インビザラインGo |
方法 | 透明なマウスピースを使って前歯のズレを矯正する |
価格 | 40万円〜80万円 |
期間 | 3ヶ月〜6ヶ月程度 |
メリット |
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デメリット |
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格安マウスピース矯正
矯正手法 | 格安マウスピース矯正 |
方法 | 透明なマウスピースを使って、見た目を大きく左右する前歯12本を矯正 |
価格 | 10万円〜30万円 |
期間 | 5ヶ月〜1年3ヶ月程度 |
メリット |
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デメリット |
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マウスピース矯正と言っても、それぞれ特徴があることがお分りいただけましたでしょうか。
出っ歯は見た目の問題が1番大きいイメージがありますが、実は全体的な噛み合わせや歯並びなどにも問題があるケースが多いです。
正しく噛み合わせが機能しないと食べ物の消化や体全体のバランスを崩すリスクもあります。
妥協しない出っ歯矯正治療をお望みの人には、「インビザライン」「インビザラインGo」のどちらかが間違いない治療方法です。
『世界的にも認められたインビザライン矯正』で綿密な治療計画に基づいた矯正治療ができて、全体的な噛み合わせや歯並びを確実に治すことができます。
そして、価格や治療期間の面で人気のある『格安マウスピース矯正』をあえておすすめしない理由は、『格安マウスピース矯正』に潜む3つの落とし穴があるからです。
マウスピース矯正の「格安マウスピース矯正」に潜む落とし穴
部分矯正を安く短期間でできる『格安マウスピース矯正』は一見かなり優れた矯正方法に見えますが、『格安マウスピース矯正』には知っておく必要がある3つの危険な落とし穴があります。
- 軽度の出っ歯しか対応できない
- 奥歯を動かせず、噛み合わせを治せない
- 治療前に費用や終了時期が定まらない
軽度の出っ歯しか対応できない
『格安マウスピース矯正』は軽度の出っ歯にしか対応できず、骨格的に問題がある重度の出っ歯治療には対応できないという落とし穴があります。
- 上顎が前に出ていて下顎が後ろに下がっている状態
- 八重歯やそのほかの歯の問題を併発している状態
このようなケースでは前歯部分だけが気になっていたとしてもその根本的な原因は骨格や全体的な歯並びにあり、「格安マウスピース矯正」だけで矯正することはできません。
『格安マウスピース矯正』の費用感や期間の短さなどに惹かれて選びたい気持ちはすごくわかります。
しかし、出っ歯矯正治療はただ前歯部分を引っ込めるだけの治療ではなく、そのほかの歯並びや噛み合わせが大きく関わってくる複雑な治療なのです。
歯は一生モノなので、見た目だけを改善する治療を優先するのではなく、歯の機能改善も実現するような治療の方が結果的に喜ばれることも多いので一度よく検討する必要があります。
もちろん、検討した上で部分矯正をご希望の場合は、インビザラインを使った矯正治療が間違いないので、検討してみるといいですね。
奥歯を動かせず、噛み合わせを治せない
また、「格安マウスピース矯正」の矯正は上下合わせて前歯12本のみにしか対応できないという落とし穴があります。そのため、奥歯を動かすことができません。
奥歯を動かせないことで、全体の噛み合わせや歯並びの悪さが軽度の場合以外には対応できないのです。
- 軽度の出っ歯
- 軽度の八重歯
- 軽度のすきっ歯
上に示したようなケースで見た目の問題を改善するのには適した方法ですが、抜歯などが必要な外科治療を伴う出っ歯矯正には対応していません。
軽度の出っ歯であれば外科治療なしで治療可能ですが、出っ歯が重度な場合は抜歯などを伴う必要が出てきます。
抜歯をする場合は小臼歯を抜歯するケースが多く、その場合は奥歯も動かして前歯の出っ歯を矯正する必要があるため「格安マウスピース矯正」では難しいのです。
さらに、『格安マウスピース矯正』は奥歯を動かせないため、噛み合わせを治療することはできないという大きな落とし穴もあります。
格安マウスピース矯正で前歯の歯並びを矯正したとしても噛み合わせの機能改善に繋がるとは限らないので注意が必要です。
治療前に費用や終了時期が定まらない
格安マウスピース矯正は治療前にかかる費用や治療終了時期が定まらないという落とし穴もあります。
実は、「インビザライン」「インビザラインGo」は治療を開始する前に、3Dの動画で治療の開始からゴールまで歯がどのように動くかを確認できます。
その際に治療費用や治療期間がはっきりと提示されるので、安心感があります。
しかし、格安マウスピース矯正は診察のたびに医師と相談しながら次のマウスピースを製作するかどうかを決めていくため、「いつ治療が終わるか」、「どれくらい費用がかかるか」はその人の矯正の具合や医師の判断によるところが大きいのです。
行き当たりばったり感が否めない治療法なのです。
自分がやめたいタイミングでやめられるという利点はありますが、矯正治療本来の目的を達成するのには適しているとは言えません。
計画的かつ明瞭会計な矯正方法としては「格安マウスピース矯正」よりも「インビザライン」の方が適していますよね。
まとめ
出っ歯のマウスピース矯正にも種類があり、相談をきちんと聞いてご要望にお答えできる歯科医師出なければ、失敗する可能性があることをお伝えしていきました。
要点としては5つありますので、サクッとおさらいしてみましょう。
- 出っ歯のマウスピース矯正治療は経験と技術のある医院を選ぶ必要がある
- 全体矯正なら顎関節症や噛み合わせなども一緒に治療が可能
- マウスピース矯正なら歯を無理なく段階的に動かして噛み合わせ治療も可能
- マウスピースでの全体矯正や部分矯正は「インビザライン」
一度部分矯正での出っ歯矯正治療が終了してから、歯並びや噛み合わせが気になって再び費用や期間をかけてまた矯正治療をするのは厳しいですよね。
出っ歯をマウスピース矯正で治療したい方は、私たちが提供しているインビザライン矯正を検討してみてはいかがでしょうか?
必ずあなたのご要望をしっかりとお聞きした上で、丁寧で確実なマウスピース矯正治療をさせていただきますので、ご気軽にご連絡くださいね。
出っ歯ってマウスピース矯正で本当に治せるの?ワイヤー矯正をおすすめする歯科医師の方が信用できそう・・・